股関節インナーマッスルの役割
股関節は体の中で最も大きな可動域を持つ関節であり、姿勢保持・歩行・ジャンプ・ターンといったあらゆる動作の要になります。
その動きを支えるのが「インナーマッスル(深層筋)」です。代表的なのは以下の筋肉です:
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腸腰筋(大腰筋・腸骨筋):太ももを持ち上げる、骨盤を安定させる
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深層外旋六筋(梨状筋など):股関節を外にひねる、骨盤の安定
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小殿筋・中殿筋の深部:股関節を外に広げ、片足立ちを安定させる
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内転筋群:太ももを内側に寄せ、動作の安定性を高める
これらの筋肉は「支える力」と「動かす力」の両方を担い、弱くなると以下の問題が起きやすくなります。
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反り腰・腰痛
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膝の負担増加
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股関節可動域の低下
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軸が不安定になり、バランスを崩しやすい
インナーマッスルを鍛えるメリット
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股関節の可動域を安定して使える
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骨盤の歪みや姿勢の崩れを防ぐ
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スポーツやダンスで軸がぶれにくくなる
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腰・膝のケガ予防につながる
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基礎代謝が上がり、下半身太りの解消にも有効
股関節インナーマッスルを鍛えるトレーニング5選
① ニートゥチェスト(腸腰筋強化)
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仰向けに寝て、両膝を90度に曲げる。
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片脚ずつ胸に近づけるように引き寄せる。
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ゆっくり戻し、交互に10〜15回。
👉 腸腰筋を直接使い、股関節を引き込む力を高める。
② レッグレイズ(腸腰筋+下腹部)
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仰向けになり、両脚を伸ばす。
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息を吐きながら両脚を床からゆっくり上げる。
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床ギリギリまで下ろすのを繰り返す(10回目安)。
👉 下腹部と腸腰筋を同時に強化し、骨盤の安定性をアップ。
③ クラムシェル(中殿筋・小殿筋)
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横向きに寝て、膝を軽く曲げる。
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かかとをつけたまま、上の膝だけをゆっくり開く。
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15回×左右。
👉 股関節外転の安定性を養い、ターンアウトや片足立ちに効果的。
④ ヒップリフト+内転
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仰向けに寝て膝を立てる。
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両膝の間にクッションやボールをはさむ。
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お尻を持ち上げながら内ももを締める。
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10〜15回繰り返す。
👉 内転筋と殿筋群を同時に鍛え、骨盤と股関節を強力にサポート。
⑤ デッドバグ(体幹+股関節)
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仰向けで両腕を天井に伸ばし、膝90度で脚を上げる。
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右腕と左脚をゆっくり床に近づける。
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戻して反対側も。左右10回ずつ。
👉 股関節と体幹を同時に鍛え、全身の連動性を高める。
トレーニングのコツ
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呼吸を止めずに行う(息を吐きながら動作するとインナーに効きやすい)
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ゆっくりコントロールする(反動を使わないことで深層筋が働く)
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毎日5〜10分でOK(継続が最も効果的)
まとめ
股関節インナーマッスルを鍛えることで、可動域を広げるだけでなく、安定した動きを獲得できます。
ストレッチで柔軟性を高めつつ、トレーニングで筋力を強化することで「しなやかで安定した股関節」が手に入ります。
可動域アップ+安定性向上の両輪で、ダンスやスポーツのパフォーマンスを最大化しましょう。