白鳥の湖 – SWAN LAKE

数あるクラシックバレエの作品の中でも「白鳥の湖」は、誰もが一度は耳にしたことがある「白鳥の湖」についてお話します。

  1. 「白鳥の湖」について
  2. 登場人物
  3. あらすじ
  4. 特徴
  5. 動画

1. 「白鳥の湖」について

1875年、チャイコフスキーはボリショイ劇場からバレエ音楽「白鳥の湖」の作曲を依頼されました。当時はバレエ音楽の作曲は2流の仕事と思われていました。しかし、チャイコフスキーはバレエ音楽に興味があったため作曲することにしました。

翌年1876年、チャイコフスキーはバレエ音楽「白鳥の湖」を完成させました。チャイコフスキーのはじめてのバレエ音楽です。
同じ年に物語も完成しました。ドイツの作家、ヨハン・カール・アウグスト・ムゼーウスの『奪われたヴェール』という童話が構想のもとになっています。

1877年、モスクワのボリショイ劇場で初演したが、残念ながらダンサーや振り付け家、指揮者に恵まれず評価されませんでした。それでも一定の評価はあったようです。それでもチャイコフスキーはバレエ音楽の作曲をつづけ、「眠れる森の美女」、「くるみ割り人形」は大成功をおさめました。

1895年、チャイコフスキーが亡くなってから2年後、マリウス・プティパとレフ・イワノフが振付を担当したものが上演されるようになってから「白鳥の湖」が人気に博し始めました。このとき、曲をカットしたり、曲順を入れ替えたり、大きな変更がありました。台本にも手直しが加えられました。

現在いろいろなバージョンがありますが、すべてプティパ/イワーフ版の「白鳥の湖」がもとになっています。

後に、「白鳥の湖」はチャイコフスキー三大バレエの1つとして広く知られるようになりました。

チャイコフスキー三大バレエ

  • 「白鳥の湖」
  • 「くるみ割り人形」
  • 「眠れる森の美女」

2. 登場人物

オデット姫…この物語の主人公
ジークフリート王子…オデット姫に恋する王子
王妃…ジークフリートの母
ロットバルト…悪魔
オディール…ロットバルトの娘

3. あらすじ

〔序奏〕

オデット姫と侍女たちが花を摘んでいると突然、フクロウの姿をした悪魔のロットバルトが現れた。オデット姫達を白鳥に変えてしまった。

〔第一幕〕

とある王国の城の庭園で明日成人を迎えるジークフリート王子の宴が催されている。そこに王妃が現れ、翌日の舞踏会に招いた娘たちの中から花嫁を選ぶようにジークフリート王子に命じる。成人を迎えたことにより自分が王となり、後継のため花嫁を迎えなければいけない。責務に重圧を感じ憂鬱な気分となったジークフリート王子。夕暮れの空を渡る白鳥の群れを目にしたジークフリート王子は白鳥に心惹かれ、宴を抜け出し白鳥を追いかけた。

〔第二幕〕

夢中で白鳥を追いかけたジークフリート王子は荒れ果てた湖に辿り着いた。いつしか月夜となっていた。湖には白鳥の群れ。その先頭には王冠を頭に乗せたひときわ美しい白鳥。ジークフリート王子はその白鳥に向けて弓矢を構えた。しかし、気配を察した白鳥の群れは一斉に羽ばたいて逃げていった。湖の近くで王冠の白鳥が若い娘に変わった。ジークフリート王子は驚きと同時に、その娘のあまりの美しさに心を奪われた。娘はジークフリート王子を警戒していたが、やがて心を開き白鳥になった経緯について話し始めた。自分は悪魔に呪いをかけられ、昼間は白鳥の姿にさせられたオデット姫であると。人間に戻れるのは夜の間だけ。呪いを解く方法は永遠の愛を誓われること。そこでジークフリート王子は永遠の愛を誓う。明日舞踏会で花嫁を選ばなければいけないためxお城に来て欲しいと言ったがオデット姫は人間に変わるのは少しの時間だけ。行けないと。ジークフリート王子は決して他の女性を選ばないと約束した。やがて夜が明け、オデット姫はジークフリート王子に別れを告げて再び白鳥となって飛び立った。ジークフリート王子の心はオデットへの愛の想いで満たされた。

〔第三幕〕

城の大広間でジークフリート王子のお妃選びのための舞踏会が催された。花嫁候補が次々と登場xするがジークフリート王子のオデットへの思いは募るばかり。ジークフリート王子は王妃にこの中の誰とも結婚しない、オデット姫との約束を話した。そこへ騎士に変装した悪魔ロットバルトが、娘オディールを連れて現れる。ジークフリート王子は娘のオディールがオデット姫とそっくりで驚いた。ジークフリート王子はオディールをオデット姫だと信じ込み、永遠の愛を誓ってしまう。その途端、悪魔たちは本性を現し高笑いしながら去る。大広間は大混乱になった。愕然とした王子はオデットの元へかけだした。

〔第四幕〕

湖では白鳥の娘たちがオデット姫の帰りを待っていた。絶望のあまり命を絶とうとするオデット姫を白鳥の娘たちが必死に押しとどめる。そこへジークフリート王子が駆け込んで来てオデット姫への変わらぬ愛を訴える。
オデット姫はジークフリート王子を愛する気持ちを断ち切ることが出来ずジークフリート王子の過ちを許した。
やがて夜明けが近づいてきた頃、ロットバルトが現れた。ロットバルトは、ジークフリート王子にオディールとの約束を守るように言い追い払うと、オデット姫を白鳥の姿に変えた。呪いが解けないことを悟ったオデットは2人の愛を貫くため湖に身を投げて死んでしまう。オデットが死んだことで悪魔も滅びるのだった。

4. 特徴

・第二幕のコールド
ジークフリート王子とオデット姫が出会う場面でコールドが刻々とフォーメーションを変えていく白鳥たちの美しさが高く評価されています。

・1人2役
バレリーナがオデット姫とオディールを2役演じることが見どころです。オデットとオディールは対照的な存在です。オデットはピュアで美しい心を持ち、オディールは妖艶で男を虜にする全く別の性格なため演じるには全く違う表現が求められます。
しかし、最近では別々のバレリーナがそれぞれオデットとオディールを踊ることも増えています。

・32回フェッテ
オディールの最大の見せ場である回転。
途中で2回転を入れる場合もありますが最近では3回転を入れたり、バレリーナの技術が向上しているのがよくわかります。

・ハッピーエンドの結末もある
ロシアの情勢によりハッピーエンドが誕生しました。ソ連時代、社会主義の政策として「バレエは幸せで終わるべき」という指示がでました。
日本でもハッピーエンドが上演されることが多いです。

ハッピーエンドのあらすじは結末だけ変わります。

〔ハッピーエンドのあらすじ〕
ジークフリート王子がオデット姫に許しを請いに湖やってくる。ロットバルトがオデットをさらい、ロットバルトとジークフリート王子の戦いが始まる。オデット姫に対する深い愛の力により逆境を跳ね除けた。そしてロットバルトは破れ、オデットの呪いが消える。ジークフリート王子は人間に戻ったオデットと永遠の愛を誓い合うのだった。

5. 動画

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