バレエと受験勉強、両立は可能?

はじめに

「中学受験や高校受験があるけれど、バレエは続けたい」
「大学受験のためにバレエを一度やめるべき?」
バレエに打ち込む子どもたちや保護者から、こうした悩みをよく耳にします。

確かに、日本の教育システムでは受験が人生の節目になることが多く、バレエという“芸術の世界”と、“学業の世界”が相反するように感じられるかもしれません。

でも、果たして両立は本当に無理なのでしょうか?

今回は、実際に受験とバレエを両立した生徒たちの事例を交えながら、「夢」と「現実」を両立させるための考え方と具体的な戦略をお話しします。


第1章:なぜバレエと受験は“対立”してしまうのか?

時間の問題

1週間の時間は限られている中で、塾の授業・宿題・模試に加えて、バレエのレッスンやリハーサル…。
物理的にすべてこなすのは大変です。

疲労と集中力

バレエで心身ともに疲れた状態で勉強しても、効率は上がりません。
逆に、勉強に集中しすぎると、レッスンでの動きが鈍ることもあります。

周囲の圧力

学校や塾の先生、あるいは家族から「バレエを一度やめた方がいいんじゃない?」というアドバイスを受けることも。
社会的な“正解”に縛られることで、自分の判断が曇ってしまうことがあります。


第2章:バレエと勉強、相乗効果を生むマインドセット

1. バレエは“脳”を鍛える

意外かもしれませんが、バレエの動きには空間認知能力記憶力が必要です。振付の記憶、動きの順序、音楽とのタイミングなど、複数のことを同時に処理するトレーニングになります。

これは、勉強のパフォーマンスにも良い影響を与える可能性があるのです。

2. 達成感と自己効力感

「できなかったことができるようになる」
この体験は、学習に対する自信にもつながります。バレエで培った忍耐力や反復練習の精神は、受験勉強にも役立ちます。


第3章:実践! 両立のための時間術と習慣術

1. 曜日ごとの“ゾーン設定”

  • 月水金 → 勉強メイン(塾、家庭学習)

  • 火木 → バレエ中心(レッスン、基礎トレ)

  • 土曜午前 → バレエ

  • 土曜午後〜日曜 → 受験対策

このように、曜日で脳と体のモードを切り替えると、混乱せず集中力が保てます。

2. 勉強は「短時間×高集中」

長時間机に向かうよりも、25分集中 → 5分休憩のポモドーロ式が効果的。
1日1〜2時間でも、内容が濃ければ成績はついてきます。

3. バレエレッスン後は「軽めの復習」

激しいレッスンの後に重い数学や英語をやるのは逆効果。
バレエ後は漢字・英単語・理社の暗記系など「軽いタスク」に切り替えるのがコツです。


第4章:実際の成功例に学ぶ

事例1:高校受験とバレエ留学の両立(Yさん)

週3回のレッスンを続けながら、塾に通い、第一志望の進学校に合格。
「自分にはバレエがあるから頑張れる」という想いが、勉強の支えになったとのこと。

事例2:東大合格者で元バレリーナ(Sさん)

小学生時代にクラシックバレエを続けていた経験が、長期的な集中力や記憶力の形成に役立ったと語っています。
文武両道ならぬ、「芸学両道」の好例です。


第5章:保護者ができるサポートとは?

  • 「やめる/続ける」の二択ではなく、「どう続けるか」を一緒に考える姿勢を持つ

  • 勉強だけでなく、バレエでの努力も認め、褒める

  • スケジュールを一緒に立てる

  • 「習い事は受験の敵」という固定観念を手放す

親の理解があるだけで、子どもは大きく伸びるものです。


終わりに:踊り続けることは、未来を形づくること

バレエと受験は対立するものではなく、人生を豊かにする両輪です。
好きなことをあきらめるのではなく、「どうやって続けるか」を考え抜くこと自体が、受験にも人生にもプラスになります。

踊りながら、学ぶ。
学びながら、踊る。

その姿勢こそが、未来に向けての最も力強いステップとなるでしょう。

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