バレエといえば柔軟性が大事──そう思われがちですが、実は怪我をしない体づくりにおいて本当に重要なのは「体幹」です。
ターンのブレ、ジャンプの着地の崩れ、ルルヴェでのぐらつき…。
これらの多くは体幹の弱さが原因で起こります。
この記事では、バレエのパフォーマンスを高めながら怪我を予防する体幹トレーニングの基本と実践法を、分かりやすく解説します。
なぜバレエに「体幹」が必要なの?
体幹(コア)は、お腹・背中・腰回りなど胴体の中心部にあたる筋肉群を指します。
この体幹が強いと、こんなメリットがあります:
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軸が安定して回転がブレにくくなる
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ジャンプの着地がしっかり決まる
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怪我を防げる(特に腰・膝・足首)
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呼吸が深くなり、表現力が豊かになる
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姿勢や重心が正しく保たれ、美しいラインが出せる
柔軟性に頼りすぎた体では、コントロールが利かず怪我のリスクも高まります。
つまり、「しなる」だけでなく「支える」力が大切なのです。
バレエ向け・体幹トレーニング5選
ここでは、道具不要で今日からできる体幹トレーニングをご紹介します。すべて自重(自分の体重)だけで行えます。
1. プランク(30〜60秒 × 2セット)
うつ伏せになり、前腕とつま先で身体を支える姿勢。
背中が反らないように注意。
ポイント:
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お尻が浮きすぎないように
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お腹を軽く引き込んで、腰を安定
💡「お腹のスイッチを入れる」意識がルルヴェに効いてきます。
2. サイドプランク(左右30秒 × 2セット)
横向きに寝て、片肘と足で身体を支えるポーズ。
脇腹と股関節にしっかり効きます。
ポイント:
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体の側面が一直線になるように
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腰が下がらないようキープ
💡アラベスクやアチチュードでの軸強化にも効果的!
3. バードドッグ(10回 × 2セット)
四つ這いになり、右手と左足を伸ばす → 戻す → 左手と右足を伸ばす…を繰り返すトレーニング。
ポイント:
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体が左右に揺れないように
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ゆっくりコントロールして動かす
💡バランス感覚の強化に抜群。ピルエット前のプレパレーションにも◎
4. デッドバグ(10回 × 2セット)
仰向けになり、両手両脚を上に上げた状態から、対角線(右手+左脚)をゆっくり床に下ろして戻す。
ポイント:
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腰が浮かないように腹圧を意識
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手脚の動きはコントロール重視
💡コルセットのような“内側の筋肉”が鍛えられます。
5. ウォールシット(30秒 × 2セット)
壁に背をつけて座るような姿勢で静止する。
ポイント:
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ヒザが90度、かかとは床
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お腹と背中で支える意識を
💡長時間の立ち姿勢を支える脚〜体幹に◎!
体幹トレーニングは「毎日5分」からでOK!
一気に頑張ろうとせず、継続できる時間・回数で取り入れることが何より大切。
レッスン前のウォームアップや、お風呂後のルーティンとして取り入れてみてください。
注意:体幹を鍛えすぎると「硬い踊り」になる?
実は「体幹が強い=ガチガチの筋肉」ではありません。
大切なのは「必要なときに働くコントロール力」。
バレエでは、“力を入れる”のではなく“使いたい部分を感じてコントロールする”力が求められます。
だからこそ、ゆっくり・丁寧なトレーニングで体に意識を向けることが重要です。
まとめ:体幹が変われば、踊りが変わる
体幹が育つと、レッスンでの集中力も高まり、踊ることそのものが楽しくなります。
そして何より、怪我をしにくくなり、**“継続できるバレエ人生”**につながります。
小学生から大人まで、すべてのダンサーにおすすめのトレーニング。
「柔らかさ」よりも「安定感」。
今日から少しずつ、あなたの踊りを内側から変えていきましょう。