世界には数多くのバレエコンクールがありますが、その中でも**「YGP(Youth America Grand Prix)」と「ローザンヌ国際バレエコンクール(Prix de Lausanne)」は、特に注目度の高い2大大会です。
どちらも若いダンサーにとって夢の舞台であり、留学・プロデビューのきっかけになる存在。
しかし、この2つのコンクールは目的・対象年齢・審査スタイル・求められる要素**などが大きく異なります。
今回は、両者を徹底比較しながら、**「自分に合ったコンクール」**を見つけるヒントをお届けします。
ユースグランプリ:バレエのトレーニングと学校生活のバランスを取る方法
🎯 1. コンクールの目的と理念の違い
| 比較項目 | YGP(Youth America Grand Prix) | ローザンヌ国際バレエコンクール(Prix de Lausanne) |
|---|---|---|
| 設立年 | 1999年 | 1973年 |
| 本部 | アメリカ・ニューヨーク | スイス・ローザンヌ |
| 目的 | 若手ダンサーの教育・国際交流・留学支援 | 世界中の才能発掘・プロ養成機関への橋渡し |
| 特徴 | 地域予選を通じて誰でも挑戦できる | 世界トップクラスの選抜制コンペティション |
| 対象者 | 9〜19歳 | 15〜18歳 |
YGPは、「より多くの若手ダンサーに国際的な舞台を提供する」ことを目的とし、
教育的な側面を重視しているのが特徴です。
一方、ローザンヌは「プロへの登竜門」として位置づけられ、
将来プロの舞台で活躍する人材発掘を目的としています。
💃 2. 審査内容・構成の違い
🔹 YGPの審査構成
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クラシックヴァリエーション(個人演技)
-
コンテンポラリー作品(任意または課題作品)
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ワークショップ・クラス審査(地域予選やNYファイナルで実施)
YGPは**「舞台での表現力」と「育成の可能性」**を重視します。
クラシック作品ではテクニックを、コンテンポラリーでは音楽性と柔軟な感性を評価。
また、審査員は指導者・学校関係者が中心で、ダンサーの未来性にも目を向けます。
🔹 ローザンヌの審査構成
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クラシックバリエーション(指定リストから選択)
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コンテンポラリーバリエーション(指定課題)
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クラストレーニング審査(バーレッスン・センター含む)
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面接・インタビュー
ローザンヌは**「総合的な芸術性とポテンシャル」**を重視します。
特に、舞台での演技だけでなく、リハーサルやレッスンでの態度も評価対象。
審査員には世界的バレエ団の芸術監督・振付家などが多く、
将来のプロ活動を意識した採点が行われます。
🏆 3. 参加資格・応募方法の違い
| 項目 | YGP | ローザンヌ |
|---|---|---|
| 年齢 | 9〜19歳(部門別) | 15〜18歳(応募時点) |
| 映像審査 | 任意(地区予選での選考) | 必須(ビデオ選考あり) |
| 地域予選 | 世界各国で開催 | なし(毎年スイスで本選) |
| 本選会場 | アメリカ・ニューヨーク | スイス・ローザンヌ |
| エントリー費用 | 約200〜300ドル前後(国により異なる) | 約175スイスフラン(※ビデオ審査料) |
YGPは「地域予選 → NYファイナル」という流れで、ステップアップ型の大会です。
一方、ローザンヌは世界各地からのビデオ審査によって参加者が選ばれ、
選ばれた約70名のみが現地で本選に出場します。
🌏 4. 留学・奨学金の仕組み
🎓 YGPの奨学金制度
YGPでは、ファイナルで好成績を収めると、
-
アメリカ・ヨーロッパ・アジア各地のバレエ学校からスカラシップオファー
-
サマープログラムや短期留学への推薦
を受けることができます。
💡特徴:
複数の学校関係者が審査員として参加しているため、
本番中やリハーサル中に「声をかけられる」ケースもあります。
つまり、YGPは**“オーディションの機会が多い”**大会です。
🩰 ローザンヌの奨学金制度
ローザンヌでは上位入賞者に、
-
提携する世界有数のバレエ学校・カンパニーへの留学権
-
最大1年間の奨学金サポート
が授与されます。
💡特徴:
審査員・スポンサーが国際的に権威ある機関であるため、
「一度入賞すれば世界が変わる」と言われるほど。
ただし、選ばれる人数は非常に限られています(毎年6〜8名程度)。
🌟 5. 求められるダンサー像の違い
| 観点 | YGP | ローザンヌ |
|---|---|---|
| 評価基準 | 技術・表現・努力・将来性 | 芸術性・個性・音楽性・身体の可能性 |
| 舞台の印象 | 若さとエネルギー | 洗練された品格と感性 |
| 向いているタイプ | 成長途中でも挑戦意欲があるダンサー | 芸術的完成度を追求したい上級者 |
| 雰囲気 | アットホーム・教育的 | 国際的・競争的・プロフェッショナル |
YGPは「チャレンジと成長の場」、
ローザンヌは「選抜と飛躍の場」。
どちらも素晴らしい舞台ですが、自分の段階に合わせて選ぶことが重要です。
🧭 6. どちらを目指すべき?
🔹 こんな人はYGP向き
-
国際舞台を初めて経験したい
-
自分のレベルを試したい
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留学へのステップを探している
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先生や他校の指導者から学びたい
🔹 こんな人はローザンヌ向き
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すでに留学経験がある or プロを目指している
-
表現・芸術性を深めたい
-
世界の一流バレエ団に近づきたい
-
自立したダンサーとして挑戦したい
👩🏫 先生のコメント
「YGPは“育てるコンクール”、ローザンヌは“選ばれるコンクール”。
どちらも素晴らしい舞台ですが、自分の段階や目標に合った挑戦を選ぶことが、成長の鍵です。」
💬 まとめ|どちらも「夢への通過点」
YGPもローザンヌも、世界の舞台へとつながる貴重なチャンスです。
しかし本当に大切なのは、“どちらを受けるか”ではなく、“どう準備するか”。
日々のレッスン・心の成長・舞台経験を積み重ねることで、
どんなコンクールでも自分の魅力を最大限に表現できます。
🌸 YGPで挑戦の喜びを知り、
💎 ローザンヌで夢を形にする。
その道はひとりひとり違っていても、
どちらの挑戦も、確実にあなたを“本物のダンサー”へと導いてくれるでしょう。
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