無理な外旋はNG!“正しいターンアウト”が未来の身体を守る
クラシックバレエにおいて、“ターンアウト(外旋)”はすべての基礎の起点。
ポジション、動きの流れ、美しいライン、そして安定した重心——それらはすべて、正しいターンアウトから生まれます。
しかし、無理なターンアウトや体の間違った使い方が続くと…
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股関節や膝への慢性的な負担
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足指・足裏の変形(外反母趾や内反小趾)
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将来的な慢性痛や可動域の低下
など、バレエライフを脅かす“故障”につながることも。
今回は、「正しいターンアウトとは何か?」「どうすれば安全に深められるか?」を解説しつつ、股関節〜足指の連動性を高めるための具体的なトレーニングとケアをご紹介します。
🔍 目次
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ターンアウトとは何か?正しい理解から始めよう
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なぜ無理なターンアウトが足の健康を脅かすのか?
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股関節と足指、それぞれが果たす役割
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正しいターンアウトを育てる3つの習慣
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おすすめエクササイズ:足の裏から使えるバレエの身体へ
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まとめ:ターンアウトの質が、あなたの未来を守る
1. ターンアウトとは何か?正しい理解から始めよう
「足を180度開く」ことだけがターンアウトではありません。
バレエにおける理想のターンアウトとは:
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股関節(大腿骨)を外旋し
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膝とつま先が同じ方向を向き
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その上で、体幹から足先までが真っ直ぐ連動している状態
✅ 開く角度よりも「どこから開いているか」が大切!
2. なぜ無理なターンアウトが足の健康を脅かすのか?
ありがちなNGターンアウトの例:
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股関節が硬いまま、膝下からねじる
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足首やつま先を無理に外側へ向ける
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かかと重心で足裏の内側をつぶすような立ち方
これらを繰り返すと…
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股関節に強い負担がかかり軟骨や腱を痛める
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膝のねじれ・足首の不安定感が生まれる
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**足指の変形(外反母趾・ハンマートウ)**につながる
3. 股関節と足指、それぞれが果たす役割
🦴 股関節(外旋の中心)
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大腿骨が骨盤にハマる部分がターンアウトの起点
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可動域・安定性を高めるには**股関節まわりの深層筋(外旋六筋)**を強化する必要あり
🦶 足指・足裏(支える土台)
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足の5本指がしっかり広がり、地面をつかめる状態が理想
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アーチ(特に内側縦アーチ)が潰れていると、ターンアウト時に重心が外に逃げやすくなる
4. 正しいターンアウトを育てる3つの習慣
✅ ① スタートは“第1ポジションの質”から
日々のレッスンで使う第1ポジション、実は要注意。
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無理に180度に広げようとしない
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両膝が正面を向いた状態で立つのが正解
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足裏全体に均等に体重が乗っているかチェック
→「きれいに見えるか」ではなく、「骨が整っているか」を意識しましょう。
✅ ② レッスン前の“股関節ウォーミングアップ”を習慣に
冷えたまま・固まったままの股関節で無理なターンアウトをすると、即ケガにつながります。
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軽い股関節の内外旋運動
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仰向けの状態でのバタフライストレッチ
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バンドを使った外旋筋アクティベーション
を、レッスン前の5分で済ませておきましょう。
✅ ③ レッスン後は“足指と足裏”のケアでバランス調整
ターンアウトは足指にも負担をかけています。
練習後のケアを怠ると、アーチが潰れ、疲労が蓄積します。
おすすめケア習慣:
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指の間にタオルを挟んでストレッチ
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足裏のツボ押しやローラー
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指1本1本を回すマッサージ(特に親指と小指)
5. おすすめエクササイズ:足の裏から使えるバレエの身体へ
🧘♀️ 1. フロッグ・ターンアウト(股関節の可動域UP)
仰向けで膝を横に開き、足裏を合わせてバタバタする。
→ 股関節外旋筋の可動域を自然に拡げる
🦶 2. タオルギャザー(足指の独立)
床に置いたタオルを足の指でたぐり寄せる
→ 指の筋力強化・アーチ形成に効果的
🧍♂️ 3. スタンディングルルヴェ with 足指意識
ターンアウトポジションで母趾球・小趾球・かかとの3点バランスを意識しながらルルヴェ
→ 足裏の安定感と連動性UP
6. まとめ:ターンアウトの質が、あなたの未来を守る
バレエの美しさはターンアウトに宿る。
でも、そのターンアウトは**「どこから開くか」「どう支えるか」**で、まったく結果が変わります。
股関節から外旋し、足指までしっかり使える身体を作ることで、美しさと安全性を両立した踊りが可能になります。
📌 今日からできる!「ターンアウトの健康習慣」チェックリスト
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無理な角度で開かない
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膝とつま先の向きが一致している
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股関節まわりを毎日ほぐしている
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足指とアーチを意識したトレーニングを行っている
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練習後に足指と足裏のケアをしている