「アロンジェ」の美しさを引き出すために必要なこととは?

バレエにおける「アロンジェ(Allongé)」は、フランス語で「伸ばされた」という意味を持ち、腕や脚を優雅に長く見せる動きです。特にアダージオやポール・ド・ブラにおいては、その美しさが踊り全体の印象を大きく左右します。しかし、ただ腕や脚を「伸ばせばいい」というわけではありません。アロンジェの美しさを引き出すためには、体幹の安定性、関節の柔軟性、そして「意識」の使い方が求められます。

今回は、「アロンジェ」をより美しく魅せるために必要な体の使い方やトレーニング方法をご紹介します。


アロンジェが美しく見えるための3つの要素

1. 体幹の安定が支える「線」の美しさ

アロンジェでは、指先までスッと流れるようなラインをつくることが重要です。そのためには、見た目の「線」だけでなく、体幹(コア)の安定が大前提となります。

体幹が不安定なまま腕を大きく広げたり伸ばしたりすると、肩がすくんだり、軸が崩れたりしてしまいます。特に肋骨が前に出やすい人は、呼吸を利用した腹横筋のコントロールを身につけると、安定性がぐっと増します。

おすすめエクササイズ:

  • ドローイン呼吸(仰向けでお腹を薄く保ち、鼻呼吸で横隔膜を意識)

  • プランク(骨盤と肩甲骨の位置に注意)


2. 肩甲骨から指先までのつながり

アロンジェでは、腕が「ただ伸びている」のではなく、肩甲骨の安定を起点に、腕全体が美しくつながっている必要があります。ここで重要なのが「肩甲骨の可動性と安定性のバランス」です。

肩を力で持ち上げるのではなく、肩甲骨を背中に下げる意識(いわゆる「引き下げ」)があることで、腕が自然に長く、美しく見えるのです。

チェックポイント:

  • 肩がすくんでいないか?

  • 鎖骨が広がっているか?

  • 指先の動きが自然か?

おすすめエクササイズ:

  • チューブを使った肩甲骨エクササイズ

  • ワイパー運動(仰向けで両腕をワイパーのように動かす)


3. 「見せたい意志」が伝わる表現力

最も大切なのは、アロンジェの動きに“意味”が宿っているかということ。何も考えずに伸ばした腕と、「誰かに届けるように」「空間を優しく撫でるように」伸ばされた腕とでは、見る人への印象がまるで違います。

バレエは技術とともに、心の動きや意志を伝える芸術です。アロンジェをする際にも、どんな気持ちで、どんな世界を表現したいのかを常に意識しましょう。


レッスンで意識したいアロンジェのポイント

  • 肩の力を抜き、首を長く保つ

  • 肘は緩めすぎず、伸ばしすぎず「柔らかいカーブ」を描く

  • 指先にまでエネルギーが流れていることを意識

  • 呼吸と連動させ、動きに余裕をもたせる


おわりに

アロンジェは、ただの「ポーズ」ではありません。それは体幹から始まり、関節を通して流れるように指先へと続く、美しい「流れ」です。そして、何よりも表現したい想いが込められた時、アロンジェは見る人の心を動かす芸術になります。

日々のレッスンで、今日ご紹介した体の使い方や意識を少しずつ取り入れてみてください。きっと、あなたのアロンジェが変わり、踊り全体に深みが生まれるはずです。


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