バレエを踊るうえで、もっとも基本的な動きのひとつが「プリエ(plié)」です。
でも、このプリエを「ただしゃがむ動作」と思ってしまっていませんか?
実は──
プリエの質が変わると、踊りのすべてが変わります。
今回は、「バレエの基本にして最重要動作」といえるプリエにフォーカスし、
・なぜそんなに大事なのか?
・どうすれば“良いプリエ”になるのか?
・踊りがどう変わるのか?
を、バレエ教師歴15年超の視点から、深く解説していきます。
🎯 プリエとは「通過点」であり「始まり」である
プリエは、レッスンの一番最初に出てくるバーレッスンの動き。
そして、ジャンプの前、ターンの前、パのつなぎ──
あらゆる動きの「準備」であり「通過点」です。
この“準備の質”が低いと、どんなに派手な技を練習しても上達しません。
つまり、
「プリエの深さ=あなたの踊りの深さ」
なのです。
🔍 よくあるプリエの間違い
あなたのプリエ、こうなっていませんか?
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膝を曲げるだけで、上半身が潰れてしまっている
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足裏の重心が前後に動きすぎて不安定
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骨盤が前に傾いて、お尻が突き出ている
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音楽に合わせるために“急いで”しまっている
これらはすべて、「身体の連動性」を壊し、
本来得られるべきバネや安定感を失わせてしまいます。
💡 “良いプリエ”とは?
一言で言えば、**「軸を保ったまま、全身が連動して沈む動作」**です。
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背骨が引き上がり、上体が沈まない
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足裏全体で床を感じながら、静かに膝を曲げていく
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骨盤がまっすぐ保たれている
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音楽に寄り添い、呼吸のある動き
良いプリエをすると、ジャンプは高く、ターンは安定し、
なにより踊りに“ゆとり”と“深み”が生まれます。
🦶 プリエ上達のための3つの練習
① 壁を使った“プリエ軸チェック”
壁に背中を軽くつけて立ち、背中が離れないようにゆっくりプリエします。
骨盤が前傾すると、腰が浮いてしまいます。
→「骨盤の中立ポジション」が感覚的に理解できます。
② 足裏の“トリプルポイント”感覚
母指球、小指球、かかと──この3点を常に意識して床を踏みましょう。
→重心が安定し、床の反発を感じるようになります。
③ 呼吸を合わせたプリエ
吸って→吐きながらゆっくり沈む。
→音楽に乗った“踊るプリエ”に変わります。
🌱 プリエは一生の課題
バレエ歴10年でも、20年でも──
「もっと良いプリエができるようになりたい」と思い続けるものです。
なぜなら、プリエは技術だけでなく、
**“身体との対話”**そのものだからです。
あなたの今日のプリエは、あなたの今の身体をそのまま映します。
だからこそ、そこに丁寧に向き合うことで、踊りが育ち、自信が生まれるのです。
🎁 まとめ:プリエを見れば、踊りがわかる
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プリエは「始まり」であり「すべての通過点」
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良いプリエは、踊りの質を底上げする
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身体と心を整える“毎日のリセット”でもある
明日のレッスン、ぜひ「プリエ」に少し多めに意識を向けてみてください。
きっと、今まで見えていなかった世界が見えてくるはずです。
🩰 レッスンで「プリエを変えたい」あなたへ
当スタジオでは、大人初心者の方でも「身体の使い方」から丁寧に指導しています。
体験レッスンで、ぜひ“プリエの質”の違いを実感してください。