そのルルヴェ、ちゃんと“引き上がって”る?
バレエにおいて、美しく高いルルヴェは欠かせない要素です。
でも、「なんだか高さが出ない…」「すぐにグラついてしまう」「足首が重たい」
そんな悩み、ありませんか?
実はそれ、“足のアーチ”=土踏まずの筋力不足が原因かもしれません。
土踏まず=バレエの“サスペンション”
車にサスペンションがあるように、私たちの足には“衝撃を吸収し、力を伝える”アーチ構造があります。特にバレエでは、この**内側縦アーチ(いわゆる土踏まず)**が
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踏み込みの反発力
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ルルヴェでの安定感
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ポワントでの美しいライン
に直結しています。
土踏まずが落ちるとどうなる?
❌ ルルヴェが低くなる
アーチが落ちると、足首がうまく伸びず、ルルヴェの高さが出ません。
❌ 足指や膝に負担がかかる
アーチの役割を果たせないため、指や膝で補おうとして痛みが出やすくなります。
❌ “寝た足”に見える
ポワント時に、甲が潰れて見えることで、ラインの美しさが損なわれてしまいます。
「私、落ちアーチ?」セルフチェック
簡単にできるチェック方法をご紹介します。
🦶【土踏まずの高さチェック】
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足を床につけて立つ
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内くるぶしと親指のつけ根の中間地点を見てみましょう
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床との間に指1本分以上の隙間がない場合は、アーチが落ち気味の可能性あり!
今日からできる!土踏まず強化メニュー5選
① タオルスクラッチ
目的:アーチを引き上げる筋肉を鍛える
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床にタオルを置き、足の指で手前にたぐり寄せる
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指ではなく、「土踏まずを縮める」感覚を意識
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片足1セット×2回ずつ
② ドームアーチ・エクササイズ
目的:アーチ形成に必要な“短母趾屈筋”を活性化
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足を床につけて立ち、足指を動かさずにアーチだけ引き上げるよう意識
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慣れてきたら片足で行い、15秒ホールド
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各足3セット
③ ストレッチバンド・アーチリフト
目的:足裏のインナーマッスルを刺激
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セラバンドを足裏にかけて、土踏まずを引き上げる
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指を丸めず、アーチだけを意識して持ち上げる
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10回×2セット
④ ルルヴェウォーク(裸足 Ver.)
目的:自分の足だけで“高く、美しく”立つ力を養成
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裸足で床を歩く際、つま先→指先→ルルヴェ→指先→かかとの順で丁寧に動く
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アーチの伸縮を感じながら1分間歩行
⑤ ポワント or バレエシューズでのアーチ確認
目的:日常のレッスンで意識できるようにする
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レッスン前後、ポワントを履いた状態で自分のアーチを鏡で確認
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“つぶれていないか”“床を押せているか”を見ながら修正
継続は美ラインなり
足裏や土踏まずの筋肉は、日常生活ではあまり使われません。
だからこそ、毎日3〜5分でも継続して鍛えることが、美しいラインと怪我予防につながります。
地味なトレーニングですが、バレエの根幹を支える本当に大切な部分です。
よくある質問(Q&A)
Q. 何週間くらいで効果が出ますか?
A. 早い方で2週間程度でルルヴェの安定感に違いを感じ始めます。見た目の変化は1〜2ヶ月を目安に。
Q. 土踏まずが高すぎてもよくないって本当?
A. その通りです。アーチが高すぎる“ハイアーチ”は可動性に欠けて痛みが出やすいです。理想は柔らかくてしなやかな、動くアーチ。
最後に:見えない努力が、見える差を生む
バレエの美しさは、派手な動きの中だけにあるわけではありません。
むしろ、こうした「地味だけど大切な部位」のコツコツとした積み重ねが、
舞台で圧倒的な存在感を放つ“見えない差”を生むのです。
あなたのルルヴェが、今日よりも明日、少し高く、美しくなりますように。