柔軟性だけではない、美しいラインを作るためのコツとは?
アラベスクはバレエにおける象徴的なポーズのひとつ。
舞台で静止したときの美しさや、動きの中での優雅さは、見る人を魅了します。
しかし、実際にアラベスクをとってみると…
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脚が思うように上がらない
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上体が前傾してしまう
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バランスが崩れて長くキープできない
といった悩みを感じていませんか?
その原因は単に柔軟性の不足ではなく、股関節と背中(脊柱・肩甲骨)の“連動”がうまく使えていないことが多いのです。
今回は、**アラベスクを美しく安定させるための「股関節と背中の連動トレーニング」**をご紹介します。
✅ 目次
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なぜアラベスクは難しいのか?
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アラベスクを構成する主な筋肉と関節
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連動力を高めるトレーニング5選
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よくあるNG例と改善ポイント
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まとめ:アラベスクの美しさは“つながり”で決まる
1. なぜアラベスクは難しいのか?
アラベスクは、後ろ足を高く上げながら上体を持ち上げ、手足を一直線に保つポーズ。
しかしこのときに必要なのは「高い脚」よりも、**“全体のラインと安定感”**です。
以下のような要素が同時に求められます:
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股関節の可動域と脚の後方挙上力
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背中の伸展力(腰ではなく背骨)
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肩甲骨の安定と腕の表現力
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軸足の安定と体幹コントロール
これらが“つながって”初めて、流れるようなアラベスクが完成します。
2. アラベスクを構成する主な筋肉と関節
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股関節伸展筋群(大臀筋・ハムストリング):後ろ脚を引き上げる
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脊柱起立筋:上体を起こし、ラインを保つ
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広背筋・僧帽筋下部:腕と肩甲骨を支える
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腹横筋・多裂筋:体幹を支える
これらが**連動して初めて“美しいアラベスク”**となるのです。
3. 連動力を高めるトレーニング5選
① キャット&カウ(脊柱の可動性アップ)
目的:背骨のしなやかな動きを引き出す
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四つん這いで、息を吸いながら背骨を反らせる
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息を吐きながら背骨を丸める
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10回繰り返す
→ 背中の意識が高まり、上体のコントロールがしやすくなります。
② 股関節キックバック(脚の後方挙上)
目的:股関節から脚を動かす感覚の強化
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四つん這いの姿勢で片脚をゆっくり後ろに上げる
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骨盤が傾かないように注意
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10回×2セット(左右)
③ アラベスクブリッジ(全身の連動強化)
目的:背中・お尻・体幹の連動
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仰向けで寝て膝を立てる
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お尻を持ち上げながら片脚を後ろ方向へ伸ばすように上げる
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5秒キープ×5回(左右)
④ 壁アラベスクポジション(正しい形を体に記憶させる)
目的:視覚と感覚の一致を図る
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壁に手をつき、片脚を後ろに引いてアラベスクの形を取る
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鏡やスマホで姿勢を確認
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上体が前に倒れていないか・肩が上がっていないかをチェック
⑤ 肩甲骨ストレッチ+腕の延伸
目的:肩甲骨と腕の美しいつながりを作る
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両手を頭上に上げ、腕を遠くに引き上げる意識で伸ばす
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肩をすくめず、背中で支える
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10秒キープ×3回
4. よくあるNG例と改善ポイント
NG動作 | 改善ポイント |
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上体が前に倒れている | 背中の筋肉が使えていない可能性。脊柱の伸展トレーニングを重点的に |
骨盤が開いている | 股関節の可動域に頼りすぎ。骨盤の安定を意識 |
腰を反ってしまう | 背中でなく腰で代償している。体幹強化を取り入れる |
肩がすくんでいる | 肩甲骨を下げる意識と背中の筋力強化が必要 |
5. まとめ:アラベスクの美しさは“つながり”で決まる
バレエのアラベスクは、ただ脚を上げるだけではなく、股関節・背中・肩甲骨・体幹のすべてが連動した結果として現れます。
だからこそ、局所的な柔軟性や筋力だけでなく、「連動性」そのものを高めるトレーニングが不可欠。
今回のエクササイズを日々のルーティンに取り入れ、ぜひ“魅せるアラベスク”を目指しましょう。