ローザンヌ国際バレエコンクール(Prix de Lausanne)は、クラシックだけでなくコンテンポラリー部門が非常に重視されるコンクールです。
実際、入賞者の多くはクラシックでの完成度に加えて、コンテンポラリーでの表現力の高さが評価されています。
クラシックでは“技術と正確さ”が求められるのに対し、コンテンポラリーでは“個性と創造性”が重視されます。
ここでは、ローザンヌで審査員に印象を残すためのコンテンポラリー対策と表現力アップの秘訣を、ステップごとに詳しく解説します。
1. コンテンポラリーの目的を理解しよう
まず大切なのは、「コンテンポラリーをどう捉えるか」という意識です。
ローザンヌにおけるコンテンポラリー審査は、単に“モダンダンスを踊る”ことではありません。
それは、**「自分というアーティストを表現する場」**です。
クラシックでは見えなかった感情の深さ、自由な動き、音への反応、そして空間の使い方を通して、「自分が何を感じているか」を表現することが求められます。
💬 先生のコメント
「コンテンポラリーでは、“正解”を探すより“自分の感情”を探してください。
どんな小さな動きでも、心がこもっていれば観客は必ず感じ取ります。」
2. ローザンヌのコンテンポラリー課題の特徴
毎年ローザンヌでは、世界的に著名な振付家による課題作品が発表されます。
作品の内容は年によって異なりますが、共通しているのは以下の3点です。
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音楽に対する身体の反応力
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重心移動とフロアワークのコントロール
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感情を伴う“自然な動き”の表現
つまり、クラシックのような「ポーズの美しさ」よりも、「動きの流れ」「変化の説得力」「感情のリアリティ」が評価されます。
💬 先生のコメント
「審査員は、あなたの“完璧さ”ではなく、“生きている動き”を見ています。
感情と呼吸を止めないことが一番の鍵です。」
3. 表現力を高めるための具体的トレーニング
① 呼吸と動きをリンクさせる
コンテンポラリーの動きは、呼吸と密接に関係しています。
息を吸うときに身体が開き、吐くときに閉じる。
この自然な呼吸の流れが動きに「生命感」を与えます。
練習法:
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鏡を見ずに、音楽に合わせて“呼吸だけ”で動いてみる
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動きの始まりと終わりを、必ず呼吸と合わせる
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動きが止まる瞬間も「息が生きている」状態をキープ
② フロアワークの感覚を磨く
床を“支えるもの”ではなく、“踊る相手”として感じることが重要です。
体重を預けたり、滑らせたり、跳ね返したりして、床との関係性を感じ取ります。
練習法:
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床に手や背中を預ける動きから始める
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「重力を使う」「床を押す」「滑る」などの要素を繰り返す
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ジムマットやリノリウムで、安心して試せる環境を作る
③ アイソレーションで“動きの芯”を作る
コンテンポラリーでは、全身を同時に動かすのではなく、身体の一部を独立して動かすことで表現の幅を広げます。
おすすめ練習:
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肩→肋骨→腰→頭 の順に一部ずつ動かす
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動きのつながりを意識しながら連続動作に発展させる
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鏡よりも「体の内側の感覚」を重視する
💬 先生のコメント
「動きを増やすよりも、“一つの動きを深める”こと。
体の中心が変わるたびに、気持ちも変化しているかを意識してみましょう。」
4. 音楽への反応力を磨く
ローザンヌでは、コンテンポラリーの音楽がクラシックのように明確な拍を持たないことが多いです。
そのため、「テンポを数える」よりも「音の質感を感じる」ことが大切です。
練習法:
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メロディではなく“音の空気感”を感じ取る
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速いテンポの中でも“静けさ”を作る練習をする
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無音の状態でも踊ってみる(“音のない音楽”を体で作る)
💬 先生のコメント
「音を“聞く”のではなく、“身体で受け取る”。
一音一音が、あなたの感情を呼び起こすスイッチになります。」
5. 審査員が見ている“表現力の本質”
ローザンヌの審査員が重視しているのは、**「完成された振付」よりも「生きた瞬間」**です。
少しのブレや不完全さがあっても、それが感情とつながっていれば、審査員の印象に強く残ります。
彼らが評価するのは、
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感情が動きと一致しているか
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自分の“世界観”を持っているか
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空間や音楽との関係性が自然か
といった点です。
つまり、「上手に踊る」よりも「真実を踊る」こと。
これが、ローザンヌのコンテンポラリーで最も求められる資質です。
6. 舞台で感情を解放するためのメンタルトレーニング
コンテンポラリーで多くのダンサーがつまずくのは、「感情を出すことへの恐れ」です。
恥ずかしさや緊張で、感情の流れを止めてしまうと、動きが小さくなり、表現が平坦になります。
おすすめの方法:
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鏡を使わずに“目を閉じて踊る”練習をする
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一つの感情(怒り・悲しみ・喜び)をテーマに即興で踊る
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音楽なしで「自分の呼吸」に合わせて体を動かす
💬 先生のコメント
「コンテンポラリーは、心を裸にする勇気の踊りです。
完璧じゃなくていい。
“今のあなた”を見せられる人が、本当に強いダンサーです。」
7. まとめ:コンテンポラリーで自分を表現する勇気を
ローザンヌのコンテンポラリー審査は、ダンサーに「個性を見せるチャンス」を与えてくれます。
型にはまらず、感じたままに動き、音楽と一体になること。
その瞬間こそ、あなたの踊りが“生きた芸術”に変わる時です。
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呼吸を意識して、動きと感情をつなげる
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床との関係を感じながら重力を味方にする
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音を“数える”のではなく、“感じる”
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完璧さよりも、真実の感情を表現する
自分の心を信じて、身体のすべてで音楽と対話しましょう。
ローザンヌの舞台で、あなたの“唯一無二の物語”が輝きます。
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