ローザンヌ舞台で実力を出すための体幹トレーニング

ローザンヌ国際バレエコンクールは、技術だけでなく「舞台上での安定感」や「身体のコントロール力」も高く評価される場です。審査員は、ターンやジャンプの高さよりも、動きの中での軸の通り方・姿勢の美しさ・呼吸と動きの一体感を見ています。そのため、日々のトレーニングで体幹をどれだけ使いこなせるかが、舞台での実力発揮に直結します。


1. 体幹トレーニングがなぜ重要なのか

ローザンヌのような大舞台では、緊張により呼吸が浅くなったり、軸がぶれやすくなったりします。体幹がしっかりしていると、姿勢や重心を安定させるだけでなく、感情表現の自由度も高まります。
体幹は単なる腹筋や背筋ではなく、「深層筋(インナーマッスル)」の総合的なコントロール力を意味します。特に大切なのが以下の3つです。

  • 腹横筋:お腹を引き締め、重心を安定させる。

  • 多裂筋:背骨を支える深い筋肉で、姿勢保持に関与。

  • 骨盤底筋群:ジャンプやターン時のブレを防ぐ。

これらを鍛えることで、脚の動きや腕の表現を「芯の通った」状態で支えることができます。


2. ローザンヌ出場者が取り入れている体幹トレーニング例

ピラティス式プランク

体幹トレーニングの基本。肩を下げ、首を長く保ちながら呼吸を止めずに行う。30秒×3セットが理想。

デッドバグ(Dead Bug)

仰向けで手足を交互に動かすエクササイズ。腹圧を保ちながら背中を床につけ、体の「軸」を意識する。
→ 特にアダージオの安定感やターンの軸作りに効果的。

スイスボール・ブリッジ

スイスボールを使って骨盤を持ち上げ、姿勢をキープ。
→ 下半身と上半身を連動させる感覚を養うことができる。

ローテーション・プランク

片腕を上げて体をひねるプランク。
→ コンテンポラリー課題で求められる「体の流れ」を作る練習にも最適。


3. 舞台前に取り入れる“安定リセット”ルーティン

ローザンヌ本番直前は、筋トレというよりも「体幹を目覚めさせる」イメージで行うのがポイント。

  1. ブリージング(呼吸法):横隔膜を意識した深呼吸で腹圧を安定。

  2. キャット&カウ(背骨の可動域チェック):背骨の動きを滑らかにして緊張を解く。

  3. バランス・スタンディング:片足で立ち、体の揺れを感じながら中心を見つける。

この3つを本番当日の朝に5分行うだけで、体のブレが大幅に減り、「いつもの自分の踊り」を取り戻せる効果があります。


4. トレーニングで意識すべきポイント

  • **「強さ」より「コントロール」**を重視する

  • 動きのたびに「軸が通っているか」を鏡で確認する

  • 呼吸と連動させ、筋肉を固めすぎない

  • 毎日10〜15分でも継続することが最重要

ローザンヌで成功するダンサーは、見た目の筋力よりも、動きの繊細さと芯の強さを兼ね備えています。体幹トレーニングはその土台をつくる作業です。


5. まとめ

ローザンヌ国際バレエコンクールでは、「どんな振付にも対応できる身体の自由さ」が求められます。その鍵を握るのが体幹です。体幹が整うと、姿勢・表現・安定感すべてが向上し、舞台上で本来の自分を最大限に発揮できるようになります。
一朝一夕では身につかない体幹力ですが、毎日の小さな積み重ねが舞台上での“安心感”を生み出します。ローザンヌを目指すなら、技術練習と同じくらい「体幹づくり」を大切にしましょう。

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