海外留学を目指す場合、主に二つの方法があります。一つは留学エージェントを通じた方法で、もう一つはコンクール参加を通じてスカラシップや入学許可を得る方法です。いずれの方法でも費用はかかりますが、種類や性質が異なります。
留学エージェントを利用する場合は、エージェント費用(さまざまな代行業務や専門的な準備費用)がかかります。一方、コンクールを通じて進学を目指す場合は、プライベートレッスン(バリエーション個別指導)、コンクール参加費、遠征費、衣装代、音源作成費、引率費用など、さまざまな費用が必要です。首都圏の生徒は遠征費が不要な場合もありますが、地方の生徒は遠征費が追加で発生します。
コンクールへの参加は、基本的には入学許可やスカラシップの獲得を目的として行われます。また、いわゆるコンクール本気組は、年に何度も異なるコンクールに参加して舞台に慣れ、経験を積みます。それに伴い、当然費用負担も大きく増えます。しかし、すべてのバレエ学校がコンクール経由で入学許可やスカラシップを出しているわけではなく、コンクールに参加していない学校も多数存在します。そのため、コンクールは必須の進学ルートではありません。
なお、幼いころから頻繁にコンクールに参加する場合は、身体への負担が大きく、けが、左右の非対称性が生じる可能性があるという議論もあります。生徒の皆さんには、費用面だけでなく、身体的・精神的な負荷も考慮した上で、参加の是非やペースを検討することが大切です。
単純な比較は難しく、生徒にとってどの方法がより適しているかは、選択肢の幅や学習環境、成長の機会を考慮して判断することが重要です。現状、物価やビザ取得の手続きなどを考慮すると、安価に海外留学する方法はなく、費用面も含めて現実的に計画する必要があります。