バレエにおいて、美しいターンアウト(アン・ドゥオール)や安定したアラベスク、開脚での柔らかいラインを作るために欠かせないのが**内転筋(ないてんきん)**です。内転筋は太ももの内側にある筋肉群で、脚を閉じたり、骨盤を安定させたりする働きを持っています。
しかし、この内転筋が硬いと以下のような問題が起こりがちです。
-
ターンアウトが十分にできない
-
開脚で股関節が詰まる
-
アンシェヌマン中に脚がぶれてしまう
-
姿勢が崩れ、腰や膝に負担がかかる
そこで今回は、バレエのために効果的な内転筋ストレッチを紹介します。柔軟性を高めつつ、踊りやすい体をつくりましょう。
1. バタフライストレッチ(合せきのポーズ)
方法
-
座って両足裏を合わせ、かかとを体に引き寄せます。
-
膝を外に開き、床に近づけます。
-
両手で足を押さえ、背筋を伸ばしたまま前に倒れます。
ポイント
-
背中を丸めず、股関節から倒れるイメージ。
-
息を吐くときに膝が床に近づくよう意識しましょう。
2. サイドランジストレッチ
方法
-
脚を大きく横に広げて立ちます。
-
片方の膝を曲げ、反対の脚は伸ばしたまま。
-
伸ばした脚の内ももに伸びを感じながら、体重をかけます。
ポイント
-
バレエのグランプリエの感覚に近い動きです。
-
骨盤を正面に保ち、反動をつけずにじっくり伸ばしましょう。
3. フロッグストレッチ(股関節開脚ストレッチ)
方法
-
四つん這いの姿勢から、膝を外に開きます。
-
すねは床と平行に置き、股関節をゆっくり外へ広げます。
-
上体を前に下ろしていき、余裕があれば肘を床につけます。
ポイント
-
内転筋に強い伸びを感じるストレッチ。
-
無理に広げず、心地よい範囲で止めること。
4. 開脚前屈ストレッチ
方法
-
床に座り、両脚を大きく開きます。
-
両手を前に歩かせながら、体をゆっくり前に倒します。
-
内ももから股関節にかけてじんわり伸ばしましょう。
ポイント
-
背中を丸めず、腰から前に倒れる意識を持ちます。
-
呼吸を深めながら30秒〜60秒キープ。
5. 壁を使った内転筋ストレッチ
方法
-
壁に仰向けでお尻を近づけ、両脚を天井に向かって伸ばします。
-
そのまま脚を左右に広げ、内転筋の伸びを感じます。
-
力を抜いて、重力に任せましょう。
ポイント
-
開脚が苦手な人でも安全に行えるストレッチです。
-
壁のサポートでリラックスしながら伸ばせます。
ストレッチを効果的にするためのポイント
-
呼吸を止めない:深い呼吸で筋肉を緩める。
-
毎日コツコツ:1日5分でも続けることで効果が出やすい。
-
レッスン前は軽めに、後はじっくり:ウォームアップとクールダウンで強度を調整しましょう。
まとめ
内転筋の柔軟性は、バレエにおける美しいターンアウトや開脚、安定した動きに直結します。
-
バタフライストレッチ
-
サイドランジストレッチ
-
フロッグストレッチ
-
開脚前屈ストレッチ
-
壁を使った内転筋ストレッチ
これらを日常のルーティンに取り入れることで、踊りやすさが格段にアップします。無理をせず、呼吸を大切にしながら少しずつ柔らかい体を目指しましょう。