股関節は「体の要(かなめ)」とも呼ばれるほど、日常生活からスポーツ、ダンスまで幅広く使われる関節です。
特に、バレエやヨガ、ランニングなどでは股関節の柔軟性が欠かせません。
そして、その可動域を大きく左右するのが、股関節のインナーマッスルと呼ばれる深層の筋肉群です。
股関節インナーマッスルとは?
股関節のインナーマッスルは、骨盤と大腿骨をつなぎ、姿勢の安定や足のスムーズな動きを助けています。代表的な筋肉は以下の通りです。
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腸腰筋(ちょうようきん):大腰筋+腸骨筋。脚を持ち上げる働きがあり、姿勢維持にも重要。
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深層外旋六筋(梨状筋・内閉鎖筋・外閉鎖筋・双子筋・大腿方形筋):脚を外にひねる動きに関与。股関節を安定させる。
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恥骨筋:脚を内側に寄せる動作をサポート。
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小殿筋:股関節の外転や安定に関わる。
これらが硬くなると、股関節の動きが制限され、腰痛や膝のトラブルの原因になることもあります。
インナーマッスルが硬いとどうなる?
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開脚や前屈がしづらい
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骨盤が前後に傾きやすく、腰痛を招く
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下半身の血流が滞り、冷えやむくみにつながる
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ランニングやジャンプ動作で力が出しにくい
逆に、柔軟性を高めれば股関節の可動域が広がり、動作がスムーズで美しくなります。
股関節インナーマッスル ストレッチ方法
① 腸腰筋ストレッチ(ランジ)
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片足を前に大きく踏み出して膝を90度に曲げる
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後ろ足の膝を床につける
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骨盤を立てるように意識して、上体をまっすぐ保つ
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前方に体重をゆっくり移動させ、後ろ脚の股関節の前側が伸びるのを感じる
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20〜30秒キープ、左右交互に行う
🔹 ポイント:腰を反らさず、骨盤を平行に保つこと。
② 梨状筋ストレッチ(仰向けでクロス)
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仰向けになり、右足首を左膝に乗せる
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両手で左太ももを抱え、胸の方へゆっくり引き寄せる
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右のお尻から股関節の奥にかけて伸びを感じる
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20〜30秒キープ、反対側も同様に
🔹 ポイント:背中を床につけ、肩の力を抜くこと。
③ ハッピーベイビーポーズ(股関節全体)
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仰向けになり、両膝を胸に引き寄せる
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両手で足裏、またはすねをつかむ
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膝を開き、股関節を外に広げながら床方向に押す
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20〜30秒リラックスしてキープ
🔹 ポイント:腰が浮かない範囲で行う。リラックス重視。
④ ワイドスクワットストレッチ
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足を肩幅より大きく開き、つま先は外側へ向ける
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ゆっくり腰を落とし、両肘で膝を外に押す
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股関節の奥がじんわり開くのを感じながら20秒キープ
🔹 ポイント:背筋をまっすぐ保ち、呼吸を深く続ける。
ストレッチのコツ
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呼吸を止めない:吐く息で力が抜け、深く伸ばせる
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反動をつけない:じわっと伸ばすのが安全で効果的
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毎日コツコツ続ける:短時間でも継続で柔軟性は大きく変わる
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筋トレと組み合わせる:柔軟性と安定性を同時に高められる
まとめ
股関節のインナーマッスルは、表面からは見えないけれど、体を支える「縁の下の力持ち」。
ここを柔らかくしてあげることで、
✅ 股関節の可動域アップ
✅ 姿勢の安定
✅ 腰や膝への負担軽減
✅ 動作の美しさ向上
といったメリットが得られます。
毎日のルーティンに「股関節インナーマッスルストレッチ」を取り入れて、しなやかで強い体をつくりましょう。