股関節まわりには、表面にある大きな筋肉(大殿筋・大腿四頭筋など)だけでなく、深層に位置する小さな筋肉群=インナーマッスルがあります。代表的なのは腸腰筋(大腰筋・腸骨筋)、梨状筋、内転筋群などです。これらは姿勢を安定させ、骨盤を正しい位置に保ち、脚を自由に動かすための基盤をつくっています。
ダンサーやアスリートに限らず、長時間座る現代人にとって股関節インナーマッスルは衰えがち。ヨガのポーズを活用すれば、筋力強化と柔軟性アップを同時にねらえます。ここではおすすめのポーズを紹介します。
1. アンジャネーヤ・アーサナ(ローランジ)
方法
-
四つん這いから片足を前に出し、膝を90度に曲げる。
-
後ろ足は床に伸ばし、足の甲をつける。
-
息を吸いながら両手を天井に伸ばし、胸を開く。
効果
-
腸腰筋を強く伸ばしつつ鍛える
-
骨盤を前後に安定させる力を養う
-
デスクワークで硬くなった腰・股関節に最適
2. ヴィラバドラ・アーサナⅡ(戦士のポーズⅡ)
方法
-
両足を大きく開き、前足を90度外側に。
-
前膝を曲げ、後ろ足はまっすぐ。
-
両手を左右に広げ、目線は前方へ。
効果
-
内転筋とお尻のインナーマッスルを強化
-
股関節を安定させ、下半身の軸を作る
-
姿勢改善・体幹強化にもつながる
3. マリーチ・アーサナ(ねじりのポーズ)
方法
-
長座から片膝を立てる。
-
胴体を立て膝側にねじり、手を床に置く。
-
背筋を伸ばしながら数呼吸キープ。
効果
-
深層の腹筋+腸腰筋にアプローチ
-
股関節の詰まりを解消
-
背骨の柔軟性を高める
4. バッダ・コーナ・アーサナ(合せきのポーズ)
方法
-
座って両足の裏を合わせる。
-
かかとを体に引き寄せ、背筋を伸ばす。
-
呼吸に合わせて軽く前屈。
効果
-
内転筋をストレッチ&鍛える
-
股関節の可動域を広げる
-
骨盤底筋群を活性化
5. ナヴァ・アーサナ(船のポーズ)
方法
-
座って両足を揃え、膝を曲げる。
-
背筋を伸ばしたまま脚を持ち上げる。
-
可能なら脚を伸ばし、手も前方へ。
効果
-
腸腰筋をダイレクトに強化
-
体幹・腹筋との連動を高める
-
股関節の安定感をつくる
まとめ
股関節インナーマッスルは、柔軟性と筋力の両方が大切です。ヨガのポーズはストレッチと筋力強化が同時にできるので、ダンサー・ランナー・デスクワーカー、すべての人に有効。毎日5〜10分でも継続することで、股関節の詰まりが減り、姿勢やパフォーマンスが格段に向上します。