軸・スピード・高さは「下げる」ことで生まれる
ピルエットの練習をしていて、「どうしても回れない」「軸がぶれる」「力が入りすぎる」と感じている方、もしかするとその原因は“プリエ”にあるかもしれません。
多くのダンサーが見落としがちな、ピルエット前のプリエ(準備動作)。
実はここで正しい体の使い方ができているかどうかが、回転の成功・失敗を大きく左右します。
今回は、「なぜプリエが大事なのか?」「どんなプリエが理想か?」「今すぐ改善できる練習法」などをわかりやすく解説します。
🔍 目次
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なぜプリエがピルエットの成功を左右するのか
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正しいプリエの5つのポイント
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よくあるNGなプリエとその改善法
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プリエ改善エクササイズ
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プリエで変わるピルエット:Before & After
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まとめ:すべては“準備”に宿る!
1. なぜプリエがピルエットの成功を左右するのか?
ピルエットとは、地面を押して上に伸びる力+回転のきっかけの複合技です。
そしてその“力の始まり”となるのがプリエ。
プリエの役割は3つ:
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下方向のエネルギーを溜める(地面を踏む)
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軸を整える時間を作る
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腕・脚・体幹を“同時に始動”させるタイミングを整える
✅正しいプリエ=「力を生み出すスプリング」
つまり、プリエの質が悪いと、ピルエットは失敗する確率が高くなるのです。
2. 正しいプリエの5つのポイント
① かかとを床につけたまま、床を押すように曲げる
→ 「曲げる」ではなく「押す」意識で。
② 膝がつま先と同じ方向へ向かう(ターンアウトを保つ)
→ 膝が内側に入らないように注意!
③ 骨盤を立てて、上半身を引き上げる
→ 骨盤が後傾すると回転が崩れる原因に。
④ 足裏で床を感じながら「準備」する
→ 母趾球・小趾球・かかとの3点で支える。
⑤ 呼吸と連動させてリラックスしたプリエを
→ 力をためる=力むことではない!
3. よくあるNGなプリエとその改善法
NG動作 | 問題 | 改善ポイント |
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膝が内側に入る | ターンアウトが崩れ、軸がブレる | お尻と内腿で床を押す意識を |
骨盤が後ろに倒れる | 上半身が前に突っ込み、前重心になる | 背骨を“上に引く”感覚を持つ |
プリエが浅すぎる | 推進力が生まれない | 床を「ためて押し出す」準備を意識 |
呼吸が止まっている | 緊張しすぎて動きがぎこちなくなる | 吸ってプリエ→吐きながら立ち上がる |
4. プリエ改善エクササイズ
🔹 スロープリエ(バーなしでもOK)
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1番ポジション or 5番ポジションでゆっくりプリエ5秒 → スッと戻す
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1日3セット、呼吸と連動させる
→ 床を押す感覚を身につける
🔹 ピルエット前プリエ・シミュレーション
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プリエ → 腕と脚を同時に動かす練習を鏡の前で
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ゆっくりスローモーションで動かして癖をチェック
→ 正しい“開始フォーム”が定着する
5. プリエで変わるピルエット:Before & After
❌ Before(改善前)
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軸がぶれてすぐに着地
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回転がバタつく
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力んで顔も硬くなる
✅ After(改善後)
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スムーズに上がって美しく回れる
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軸がしっかり通って止まりやすい
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軽やかでリラックスした回転に
6. まとめ:すべては“準備”に宿る!
ピルエットの成功率を上げたいなら、「回転の前の動き」にもっと目を向けましょう。
中でもプリエは、地面とつながる“最初のエンジン”です。
ピルエットがうまくいかない時は、技術そのものではなく、
「プリエ=準備」に原因があるかもしれません。
今日からあなたのプリエを見直し、“回れるカラダ”を土台から作っていきましょう!