片脚で立ち、もう一方の脚を後方に大きく伸ばす姿勢は、まるで空に羽ばたこうとする鳥のよう。バレエのポスターや舞台写真でもよく用いられることから、アラベスクはバレエを象徴するポーズ とも言われています。
アラベスクの意味と由来
「Arabesque(アラベスク)」という言葉はフランス語で「アラビア風の装飾模様」を意味します。
優雅な曲線を描くその装飾に由来して、バレエでは 身体で美しい曲線を描くポーズ を「アラベスク」と呼ぶようになりました。
アラベスクの基本ポジション
アラベスクは単に脚を後ろに伸ばすだけではなく、全身を調和させて「線の美しさ」を表現することが大切です。
基本の姿勢
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片脚でしっかりと立つ(支持脚)
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もう一方の脚を後方に高く伸ばす(90度以上が理想だが、初心者は無理のない高さでOK)
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上体は前傾せず、引き上げて真っ直ぐに保つ
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腕の位置はバリエーションによって変わる
アラベスクの種類
バレエでは、アラベスクは腕と脚の配置によっていくつかの種類に分けられます。
1. 第1アラベスク
支持脚と反対側の腕を前に伸ばす基本のアラベスク。最もよく使われるポーズです。
2. 第2アラベスク
支持脚と同じ側の腕を前に伸ばすアラベスク。バランス感が求められ、舞台での表現力が際立ちます。
3. 第3・第4アラベスク
上級者向けで、腕や体の角度を変化させ、より芸術性を高めた形。バリエーションやパ・ド・ドゥで多用されます。
アラベスクの練習ポイント
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支持脚の強さを鍛える
長く美しいアラベスクを保つには、足裏・膝・太ももの安定感が必須です。 -
背中を大きく使う
脚を高く上げるには、股関節だけでなく背中や腰の柔軟性も大切。背中から脚を引っ張るイメージで。 -
顔と腕のラインを意識する
ポーズ全体が写真のように見えるためには、指先・顔の方向・視線まで計算することが求められます。
舞台でのアラベスクの役割
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フィニッシュポーズ
バリエーションの最後にアラベスクで止まることが多く、観客の記憶に残る瞬間を演出します。 -
アダージオの見せ場
ゆったりした音楽に合わせ、支えられながらアラベスクを保つことで美しさを強調します。 -
物語表現
アラベスクは飛翔や憧れを象徴することも多く、物語の中で感情を伝える手段にもなります。
アラベスクが上達するとどうなる?
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写真映えする美しいラインが作れる
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舞台での存在感が増す
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他のバレエステップ(ピルエットやジュテなど)に安定感が出る
つまり、アラベスクを極めることは、バレエの表現力を大きく高めることにつながります。
まとめ
「アラベスク(Arabesque)」は、クラシックバレエを象徴する最も美しいポーズのひとつです。
シンプルに見えて、実は全身のバランス・筋力・柔軟性、そして表現力のすべてが必要。だからこそ、アラベスクを磨くことはバレエ上達に直結します。
ぜひ日々のレッスンで、ただ脚を高く上げるのではなく、全身で優雅な曲線を描く意識 を持って練習してみてください。
👉 参考リンク:Ballet Dictionary – Arabesque|American Ballet Theatre