ローザンヌ当日のスケジュールと注意点

ローザンヌ国際バレエコンクールは、世界中の才能ある若いダンサーたちが集う舞台。
長い準備期間を経て迎える「本番当日」は、これまでの努力をすべて出し切る日です。
しかし、緊張や環境の違いで実力を発揮できないことも少なくありません。

ここでは、ローザンヌ当日の実際のスケジュールの流れと、パフォーマンスを最大限に引き出すための注意点を詳しく解説します。


朝の準備|体と心を「起こす」時間

当日は朝が早いです。多くの参加者は朝7時頃には起床し、軽く朝食を取ります。
理想的なのは、エネルギーを保ちながらも消化に負担の少ないメニュー

おすすめは、

  • バナナやオートミールなどの炭水化物

  • ゆで卵やヨーグルトなどのたんぱく質

  • 水分補給を兼ねたハーブティー

この時間に、静かに自分と向き合うメンタルリセットも大切です。
深呼吸をしながら、前日の映像を少し見返す、ストレッチをしながら体の感覚を確かめる——
「焦らない」「比べない」心構えを整えることで、緊張が軽減されます。


会場入り〜ウォームアップ

会場入りは通常本番の2〜3時間前
チェックインを済ませ、指定されたリハーサル室でウォームアップを開始します。

この時間に意識すべきポイントは3つ:

  1. 習慣のあるルーティンを崩さない
     普段通りのバー・ストレッチを行うことで、体のリズムを保ちます。

  2. 他の参加者を見すぎない
     世界中のハイレベルなダンサーが並ぶ空間に圧倒されることもありますが、自分のペースを崩さないこと。

  3. 音楽を聴いて集中する時間を作る
     AirPodsなどで使用楽曲を聴きながら、自分の踊りをイメージするのも効果的です。

このウォームアップ時間が、「自分の世界」に入る最初のステップです。


舞台リハーサル

本番の前に、実際の舞台で立ち位置や照明を確認する時間が設けられます。
リハーサルは1人あたり短く、わずか数分で終わることも。

ここで大切なのは、

  • 床の滑り具合を確かめる

  • 視界(客席・照明)の感覚を掴む

  • 音響のタイミングを確認する

「本番と同じ気持ちでリハーサルを行う」ことを意識しましょう。
立ち位置を確認するだけでなく、「空間全体で自分がどう見えるか」を意識できると、本番の安定感が格段に上がります。


バリエーション本番

いよいよ、本番のステージ。
舞台袖での待機時間は、人生で最も緊張する瞬間かもしれません。

この時、呼吸が浅くなりがちなので、深呼吸と軽いストレッチで緊張をコントロールしましょう。
「これまでの練習を信じる」以外にできることはありません。

多くの先輩出場者は口を揃えてこう言います:

「緊張は“集中”の裏返し。怖くても、その感情を踊りに変えることができた時、舞台が味方になってくれる。」

ステージ上では、テクニックよりも自分の物語を伝えることに意識を向けましょう。
審査員は“正確さ”だけでなく、“表現力と個性”を見ています。


コンテンポラリークラス・審査の流れ

ローザンヌではクラシックバリエーションだけでなく、コンテンポラリークラスの表現力・適応力も重要な審査項目です。
特に即興性や音楽性、身体の柔軟な使い方が求められます。

当日は、先生がその場で振付を出し、数分で覚えて披露する形式が多いです。
焦らず、**動きの「質」と「流れ」**を重視して、感情を乗せることを意識しましょう。


昼食・休憩時間の過ごし方

午前と午後のプログラムの間には、1〜2時間の休憩があります。
この時間に油断すると、午後の集中力が落ちるため注意が必要です。

おすすめの過ごし方:

  • 軽食をとり、血糖値を安定させる(サンドイッチやフルーツなど)

  • 仮眠を10〜15分とる

  • スマートフォンを触りすぎない(情報過多で集中が乱れる)

特に、他の参加者の出来をSNSなどで見るのは避けましょう。
心が揺れると、踊りの安定性にも影響します。


審査発表とその後

審査結果は、当日もしくは翌日に発表されます。
名前が呼ばれなかったとしても、それは“失敗”ではありません。

ローザンヌでは、審査員が多くのスカウトを行うため、入賞しなくても留学や奨学金のチャンスが生まれることがあります。
本番を終えた瞬間から、次のステップが始まっているのです。

「結果よりも、自分がどれだけ成長したかを振り返ることが大切。」
「ローザンヌの一日は、自分の未来を決める“出発点”なんです。」


当日に気をつけたいポイントまとめ

  1. 睡眠と食事のリズムを前日から整える

  2. 他人と比べず、自分の集中を保つ

  3. リハーサルでは「空間」と「床」を必ず確認

  4. 舞台ではテクニックよりも“心”で踊る

  5. 結果よりも“経験”を重視する心構えを持つ


まとめ

ローザンヌ当日は、技術と心の両方が試される一日。
緊張や焦りの中でも、「自分を信じて踊る」ことで、あなたの真の魅力が輝きます。

完璧を目指すより、「今の自分をすべて出し切る」こと。
その姿勢こそが、審査員や観客の心に残る最高のパフォーマンスにつながります。

ローザンヌの舞台はゴールではなく、世界に羽ばたくための第一歩です。

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