太ももの外側(腸脛靭帯)の張りを和らげるストレッチ

バレエやランニング、日常の歩行で太ももの外側にある**腸脛靭帯(ちょうけいじんたい、ITバンド)**が硬くなることがあります。
腸脛靭帯は、骨盤の外側から膝の外側にかけて伸びる強靭な腱組織で、大腿骨や膝関節を安定させる重要な役割を持っています。

硬くなると…

  • 膝の外側や股関節の痛みの原因になる
  • バレエでのターンアウトや側方の動きが制限される
  • 太ももの外側の張りやだるさを感じる

そこで今回は、腸脛靭帯の張りを和らげるストレッチとセルフケア方法を詳しく解説します。


腸脛靭帯とは?

腸脛靭帯は大腿筋膜張筋(TFL)と大殿筋の一部から続き、膝の外側まで伸びています。

  • 役割:股関節の外転・膝関節の安定
  • バレエでの重要性:ターンアウト、アラベスク、サイドランジやプリエなどの際に膝・股関節を安定させる

硬くなると、膝の外側に痛みを感じることもあり、ジャンプやルルヴェのパフォーマンスにも影響します。


ストレッチ1:立位クロスストレッチ

方法

  1. 立った状態で、伸ばしたい脚を後ろにクロスさせます。
  2. 腰を前に押し出すようにして、太ももの外側に伸びを感じます。
  3. 両手は腰や壁につけてバランスを取りながら30秒キープ。
  4. 足を入れ替えて反対側も同様に。

ポイント

  • 背筋をまっすぐに保ち、前傾しすぎないこと
  • 腸脛靭帯の上から膝外側にかけて伸びる感覚を意識

ストレッチ2:横向き脚クロスストレッチ

方法

  1. 横向きに寝て、下側の脚を曲げて床につけます。
  2. 上側の脚を前にクロスさせ、床に軽く置くか手で押さえる。
  3. 腰やお尻の外側から太ももの外側まで伸びを感じながら30秒キープ。
  4. 反対側も同様に。

ポイント

  • 股関節の外旋・外転方向に腸脛靭帯を伸ばす
  • 骨盤の位置を安定させて行うとより効果的

ストレッチ3:大腿筋膜張筋(TFL)ほぐし

方法

  1. 床に横向きに寝て、テニスボールやフォームローラーを腸脛靭帯の上に置く
  2. 脚をゆっくり前後に動かしながら、硬い部分をほぐす
  3. 各ポイント20〜30秒

ポイント

  • 腸脛靭帯自体は硬いため、周囲のTFLをほぐすことで間接的に伸びやすくなる
  • 血流促進と柔軟性アップに効果的

ストレッチ4:サイドランジストレッチ

方法

  1. 足を肩幅より広めに開いて立ちます
  2. 片膝を曲げて腰を落とし、反対側の足は伸ばしたままにする
  3. 太ももの外側に伸びを感じながら20〜30秒キープ
  4. 反対側も同様に

ポイント

  • バレエの側方動作に近い形で腸脛靭帯を伸ばす
  • 内転筋も同時に使えるため、股関節全体のバランス改善

ストレッチ5:仰向け膝抱えストレッチ

方法

  1. 仰向けに寝て片膝を胸に引き寄せる
  2. そのまま膝を少し外側に倒して太ももの外側を伸ばす
  3. 30秒キープ、反対側も同様

ポイント

  • 腸脛靭帯の終点にあたる膝外側も軽く伸ばせる
  • お尻や股関節の連動も意識すると効果アップ

ストレッチのポイント

  • 呼吸を止めずにゆっくり伸ばす:筋肉と靭帯が柔らかくなる
  • 硬さを感じる部分を重点的に:無理に伸ばさず痛気持ちいい範囲で
  • 血流・リンパを意識する:ストレッチ後に軽く脚を動かすとむくみ改善にもつながる
  • 毎日少しずつ行う:腸脛靭帯は硬くなりやすいため習慣化が重要

まとめ

腸脛靭帯の張りは、バレエのターンアウトやアラベスク、ジャンプ動作に影響を与えます。

  • 立位クロス、横向きクロス、サイドランジ、膝抱え、TFLほぐしを組み合わせると効果的
  • 短時間でも毎日続けることで、太ももの外側の張りが和らぎ、膝・股関節の安定性も向上
  • バレエだけでなく、ランニングや日常生活でも疲労軽減・可動域改善に役立つ
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