バレエの美しさを決定づける要素のひとつに ポールドブラ(腕の動き) があります。どんなに脚が高く上がっても、腕や肩まわりの動きが硬くぎこちなければ、全体の印象は大きく損なわれてしまいます。逆に、肩まわりがしなやかに動き、腕が流れるように運ばれるだけで、踊りは一気に優雅でエレガントに見えるものです。
しかし、肩や胸まわりの柔軟性が不足していると、ポールドブラで腕を上げるときに肩がすくんだり、首が詰まって窮屈なラインになってしまいます。また、日常生活での姿勢(デスクワークやスマホ操作など)によって肩甲骨が固まり、胸が閉じがちな人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、 「肩まわりをほぐし、ポールドブラをしなやかにするためのストレッチ」 をご紹介します。
1. ポールドブラに必要な肩まわりの柔軟性とは?
ポールドブラを美しく見せるには、以下の部分が大きく関わります:
-
肩関節の可動域:腕を前・横・上に流れるように運ぶために必要。
-
肩甲骨まわりの柔軟性:肩甲骨が滑らかに動くことで腕がしなやかに動く。
-
胸の開き(大胸筋の柔らかさ):胸が硬いと腕が後ろに引けず、動きが小さく見える。
-
首や僧帽筋のリラックス:肩が上がらないようにするために大切。
2. 肩まわりをほぐすストレッチ
(1) 肩甲骨ストレッチ(肩の詰まりを解消)
やり方:
-
両手を前に組んで、腕を前にぐーっと伸ばす。
-
背中を丸め、肩甲骨を外に開くイメージで引き離す。
-
10〜15秒キープ。
ポイント:
-
呼吸を止めず、肩甲骨が広がる感覚を意識する。
-
ポールドブラで肩がすくむ人におすすめ。
(2) チェストオープナー(胸の柔軟性を高める)
やり方:
-
両手を背中で組み、腕を伸ばしながら胸を開く。
-
息を吸いながら胸を前に突き出し、肩甲骨を寄せる。
-
20〜30秒キープ。
ポイント:
-
腰を反らせすぎず、胸だけを開く。
-
ポールドブラの「アンオー」や「アンバン」が広がりのある形に。
(3) サイドストレッチ(体側と肩をしなやかに)
やり方:
-
床に座るか立ったままでもOK。片手を頭の上に伸ばす。
-
反対側に上体を倒し、体側と肩を伸ばす。
-
20〜30秒キープ、左右交互に。
ポイント:
-
腕をただ倒すのではなく、遠くに引っ張るイメージ。
-
ポールドブラで腕を横から上へ流すときのしなやかさにつながる。
(4) タオルストレッチ(肩関節の柔軟性アップ)
やり方:
-
タオルの両端を持ち、腕を前から上へ持ち上げる。
-
ゆっくりと後ろに回し、再び前に戻す。
-
10回繰り返す。
ポイント:
-
肩の関節が固い場合はタオルの幅を広めに持つ。
-
肩の前側・後ろ側をバランスよく伸ばす。
3. ストレッチと一緒に意識したいこと
-
首を長く保つ意識 → 肩を下げるだけでなく、首の後ろを伸ばす。
-
肩甲骨から腕を動かす → 腕を「肩関節」ではなく「背中から生えている」イメージで。
-
呼吸を深くする → ポールドブラは呼吸のリズムと連動させると美しい流れになる。
4. 毎日のルーティンに取り入れるコツ
-
レッスン前のウォームアップで「肩甲骨ストレッチ」「チェストオープナー」を行う。
-
レッスン後や就寝前に「サイドストレッチ」「タオルストレッチ」でクールダウン。
-
肩が硬い人は 1日3分でも継続 することが重要。
まとめ
ポールドブラを美しく見せるには、腕だけでなく 肩まわり・肩甲骨・胸の柔軟性 が欠かせません。今回紹介したストレッチを習慣にすることで、肩の詰まりが取れ、腕の動きが滑らかになり、踊り全体がよりエレガントに見えるようになります。
しなやかで流れるようなポールドブラを手に入れ、踊りに「空気感」と「表現力」を加えてみましょう。
-1-120x120.png)