YGP挑戦を通して得られる「成長」と「自信」｜ラリーズスクールオブバレエ天王寺阿倍野校

YAGP（Youth America Grand Prix）は、世界中の若いダンサーが夢と情熱を持って挑戦する舞台です。
多くの生徒たちが「入賞」や「スカラシップ留学」を目標に頑張りますが、実はこの経験で得られるものは“結果”だけではありません。

ここでは、**YGP挑戦を通して育まれる「成長」と「自信」**について、指導者の視点からお話しします。

🌱 1. 自分と向き合う時間が「本当の成長」をつくる

「先生、バリエーションがうまくいかないです…」
YGPの練習期間、何度この言葉を聞いたことでしょう。

でも、私がいつも伝えるのはこうです。

「大切なのは“結果”ではなく、“過程”の中でどれだけ自分を見つめられたかだよ。」

YGPに向けての準備は、普段のレッスンよりもずっと長い時間をかけて、
ひとつの作品を深く掘り下げていく作業です。
その過程で、生徒は自然と自分の弱点・癖・感情のコントロールに気づきます。

鏡の前で何度も悔し涙を流しながらも、それでも続けていく強さ。
それが、舞台の上だけでなく、人生の強さにも変わっていくのです。

YGP本番の朝。緊張で顔がこわばる生徒に、私はよくこう声をかけます。

「ここまで努力してきた自分を信じて、楽しんできなさい。」

この言葉の意味は、単なる励ましではありません。
YGPに挑戦する過程では、誰もが壁にぶつかります。
思うように回れない日、体調が崩れて練習ができない日、そして他の出場者と比べて落ち込む瞬間。

でも、そのすべてを乗り越えた経験が、
**「私、ここまでできたんだ」**という確かな自信に変わります。

この“自己効力感”こそ、YGP挑戦の最大の収穫。
入賞できてもできなくても、舞台を終えた後の生徒の表情はいつも晴れやかです。
それは、努力の積み重ねが自分を裏切らなかったことを知っているからです。

YGPは世界中のダンサーが集う国際的なコンクール。
会場で他国の生徒たちと同じ空気を吸うだけでも、
「世界は広い」と実感します。

「先生、みんな表現がすごく自由でびっくりしました！」

こう言って帰ってくる生徒も少なくありません。
自分とは違うバックグラウンドや踊り方に触れることで、
“個性”を尊重する感覚が育ちます。

日本では“正確さ”が重視されますが、海外では“個性”や“感情表現”が大切にされます。
YGPを通じてこの違いを体感することは、今後の踊りに大きな影響を与えるのです。

YGPに出場するということは、勇気そのものです。
失敗を恐れず、未知の舞台に立つ決断は、どんな年齢のダンサーにとっても簡単ではありません。

でも、一歩踏み出すその勇気が、自分の可能性を大きく広げる扉になります。

「あの時挑戦してよかった」
「もう一度、次はもっと成長した姿で挑みたい」

そう思える経験こそ、YGPが与えてくれる最も価値ある贈り物だと感じます。

舞台に立つまでの過程には、涙も葛藤もたくさんあります。
でも、YGPに挑戦する生徒の姿を見ていると、
毎日少しずつ確実に成長していることがわかります。

結果は誰にもコントロールできません。
けれど、“努力する姿勢”と“諦めない気持ち”は、
その人の中に一生残る財産になります。

YGPは、単なるコンクールではなく「自分を磨く旅」。
その旅の途中で得られる成長と自信こそが、
未来への一番の力になると、私は信じています。

YGPは確かに競争の場ですが、
本当の意味での勝者は「結果に関係なく、自分を乗り越えた人」です。

バリエーションを通して、表現力・集中力・忍耐力・自信、
そして何よりも「踊る喜び」を再確認できる。
それがYGP挑戦の真の価値です。

“YGPに挑戦すること自体が、すでに一歩先の自分になること”。

その経験を胸に、次の舞台へ、また一歩ずつ進んでいきましょう。