「もっとアンディオールして!」
「股関節を開いて!」
レッスンでよく耳にするこのアドバイス。でも、どうすればもっと自然に、そして安定してアンディオールできるようになるのでしょうか?
実は、アンディオールを深めるために必要なのは「柔軟性」だけではありません。今回は、アンディオールを“外側から開く”という感覚から、“内側から意識して育てる”という視点へとシフトして、体の使い方を見直してみましょう。
🧠アンディオールの誤解:「たくさん開く=正しい」ではない
アンディオール(en dehors)は、脚を外旋させるバレエの基本中の基本。ですが、無理やり脚を外に開こうとすると、以下のような問題が起こります。
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腰が反ってしまう(過前弯)
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膝や足首に負担がかかる
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軸が崩れやすくなる
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重心が後ろに逃げる
こうした状態では、いくら脚が“開いているように見えても”、それは“崩れたアンディオール”なのです。
🔑本当のアンディオールは「骨盤と股関節」の連携から
アンディオールを支えているのは、実は**股関節まわりのインナーマッスル(深層外旋六筋)**と、骨盤のニュートラルポジションです。
✅チェックポイント:
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骨盤が立っているか(前傾・後傾していないか)
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お腹(下腹部)が抜けていないか
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坐骨で床を押せているか
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股関節から脚を外旋できているか
特に「骨盤が立っている」ことは大前提。骨盤が前傾していると、股関節の外旋が正しく行われず、膝から下だけが無理に外を向いてしまいます。
🦵アンディオールを育てるための体づくり
では、どうすれば内側から安定したアンディオールを作れるのでしょうか?以下のようなトレーニングを日々取り入れてみましょう。
1. 骨盤のニュートラルを感じる練習
仰向けに寝て、両膝を立てる。恥骨と左右の骨盤の出っ張り(ASIS)が同じ高さになるよう意識し、腰が床から浮きすぎず、潰れすぎない位置を探す。
2. 深層外旋六筋の目覚めトレーニング
横向きに寝て、股関節を90度に曲げた状態で膝を閉じたまま、足首を離す(クラムシェル)。お尻の奥がキュッと働いているのを感じる。
3. 床に立ってアンディオール感覚を育てる
一番ポジションで立ち、股関節から脚が外に回っているかを鏡で確認。内腿の筋肉(内転筋)が軽く引き合っているのが理想。
🧘♀️“見せかけ”より“内側からの積み上げ”を
バレエは形が美しく見えることも大切ですが、それを支えているのは、目に見えない体の使い方です。
無理にアンディオールしようとせず、「股関節から」「骨盤を立てて」「内側の筋肉を意識して」少しずつ積み重ねていくことで、本当に安定した美しいアンディオールが育ちます。
焦らず、でも確実に、自分のペースで取り組んでいきましょう✨
💬おわりに
「たくさん開けること」よりも「正しく開けること」を目指して。
あなたのバレエライフがもっと快適に、美しくなりますように🩰