エカルテ(Écarté)|バレエのエレガントなポーズと表現の幅

クラシックバレエには数多くのポーズがありますが、その中でも特に舞台上で印象的に映えるのが 「エカルテ(Écarté)」 です。
アラベスクやアチチュードと並び、観客の記憶に残りやすい代表的なポーズのひとつ。
体を斜めに開き、片腕を上、もう片腕を下に広げるその姿勢は、優雅さと力強さを兼ね備えています。


エカルテ(Écarté)の意味とは?

「Écarté(エカルテ)」はフランス語で「開く」「広げる」という意味。
その名の通り、体を斜めに開き、腕と脚を大きく広げたポーズ を指します。
クラシックバレエのポーズの中でも「エポールマン(上半身の使い方)」が強調され、観客に向かって大きなラインを見せるのが特徴です。


エカルテの基本ポジション

  1. 体の向きは斜め
    舞台の正面に対して斜め45度に立ちます。

  2. 支持脚と動脚
    片脚で立ち、もう一方の脚を横に高く上げます。高さは初心者なら45度、上級者は90度以上が理想。

  3. 腕のポジション

    • 脚を上げた側の腕を上へ

    • 反対の腕を下へ伸ばす
      → 上下に大きな対角線を作るように意識します。

  4. 顔の向き
    上げた腕の方向を見つめることが多いですが、振付によって変化します。


エカルテの種類

  • エカルテ・ドゥヴァン(Écarté Devant)
    前方向に脚を上げるエカルテ。観客に対して開放感のある印象を与えます。

  • エカルテ・デリエール(Écarté Derrière)
    後ろ方向に脚を上げるエカルテ。体を反らせるように使うことで、力強さや伸びやかさを演出します。


美しいエカルテを作るポイント

  1. 腰を落とさない
    脚を横に上げても、骨盤が傾かないように注意しましょう。

  2. 上半身を引き上げる
    脚に頼らず、体全体を引き上げる意識を持つとバランスが安定します。

  3. 対角線を意識する
    腕と脚で大きなX字を作るようにすることで、ラインが舞台上で映えます。

  4. 視線の方向
    顔の角度や視線で印象が大きく変わります。表現したい感情に合わせてコントロールしましょう。


舞台でのエカルテの役割

  • 見せ場のポーズ
    ソロやバリエーションでよく使われ、写真にも残りやすいポーズです。

  • 音楽の強調
    音楽の盛り上がりでエカルテを取ると、ドラマティックな効果があります。

  • 物語表現
    解放感・力強さ・堂々とした存在感を表すときに多用されます。


まとめ

「エカルテ(Écarté)」は、クラシックバレエの中でも特に ダイナミックで印象的なポーズ のひとつです。
腕と脚を大きく広げることで舞台上に美しい対角線を描き、観客の目を引きつけます。

アラベスクやアチチュードと並んで必須のポーズなので、ぜひ日々のレッスンで 身体の引き上げとラインの大きさ を意識して練習してみてください。

👉 参考リンク:Ballet Dictionary – Écarté|American Ballet Theatre

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