クラシックバレエには数多くのポーズがありますが、その中でも特に舞台上で印象的に映えるのが 「エカルテ(Écarté)」 です。
アラベスクやアチチュードと並び、観客の記憶に残りやすい代表的なポーズのひとつ。
体を斜めに開き、片腕を上、もう片腕を下に広げるその姿勢は、優雅さと力強さを兼ね備えています。
エカルテ(Écarté)の意味とは?
「Écarté(エカルテ)」はフランス語で「開く」「広げる」という意味。
その名の通り、体を斜めに開き、腕と脚を大きく広げたポーズ を指します。
クラシックバレエのポーズの中でも「エポールマン(上半身の使い方)」が強調され、観客に向かって大きなラインを見せるのが特徴です。
エカルテの基本ポジション
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体の向きは斜め
舞台の正面に対して斜め45度に立ちます。 -
支持脚と動脚
片脚で立ち、もう一方の脚を横に高く上げます。高さは初心者なら45度、上級者は90度以上が理想。 -
腕のポジション
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脚を上げた側の腕を上へ
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反対の腕を下へ伸ばす
→ 上下に大きな対角線を作るように意識します。
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顔の向き
上げた腕の方向を見つめることが多いですが、振付によって変化します。
エカルテの種類
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エカルテ・ドゥヴァン(Écarté Devant)
前方向に脚を上げるエカルテ。観客に対して開放感のある印象を与えます。 -
エカルテ・デリエール(Écarté Derrière)
後ろ方向に脚を上げるエカルテ。体を反らせるように使うことで、力強さや伸びやかさを演出します。
美しいエカルテを作るポイント
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腰を落とさない
脚を横に上げても、骨盤が傾かないように注意しましょう。 -
上半身を引き上げる
脚に頼らず、体全体を引き上げる意識を持つとバランスが安定します。 -
対角線を意識する
腕と脚で大きなX字を作るようにすることで、ラインが舞台上で映えます。 -
視線の方向
顔の角度や視線で印象が大きく変わります。表現したい感情に合わせてコントロールしましょう。
舞台でのエカルテの役割
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見せ場のポーズ
ソロやバリエーションでよく使われ、写真にも残りやすいポーズです。 -
音楽の強調
音楽の盛り上がりでエカルテを取ると、ドラマティックな効果があります。 -
物語表現
解放感・力強さ・堂々とした存在感を表すときに多用されます。
まとめ
「エカルテ(Écarté)」は、クラシックバレエの中でも特に ダイナミックで印象的なポーズ のひとつです。
腕と脚を大きく広げることで舞台上に美しい対角線を描き、観客の目を引きつけます。
アラベスクやアチチュードと並んで必須のポーズなので、ぜひ日々のレッスンで 身体の引き上げとラインの大きさ を意識して練習してみてください。