クラシックバレエを代表する美しいポーズといえば 「アラベスク(Arabesque)」。
片足で立ち、もう一方の足を後ろにまっすぐ伸ばし、腕と体で優雅なラインを描くポーズは、舞台や発表会でも頻繁に登場します。
一見シンプルに見えますが、実際には体幹・脚の筋力・柔軟性、そして全体のバランス感覚が求められる高度なポーズです。
この記事では、初心者でも理解しやすいように アラベスクの意味・種類・正しいやり方・上達のためのコツ を詳しく解説します。
アラベスク(Arabesque)の意味とは?
「アラベスク」はフランス語で「アラビア風の装飾」という意味を持ちます。
装飾的で流れるような線を描くことから、その名前がつけられました。
バレエにおいては、
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片足で立ち、もう片方の足を後ろへ水平または斜めに伸ばす
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腕と上体を組み合わせて美しいラインを描く
このポーズ全体を「アラベスク」と呼びます。
アラベスクの種類(クラシックバレエの伝統的分類)
アラベスクにはいくつかのバリエーションがあります。学校や流派によって数え方が異なりますが、代表的なのは以下の 4種類 です。
1. 第一アラベスク
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立っている足(軸足)の反対側の腕を前に伸ばし、同じ側の腕を横に広げる。
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最もシンプルで安定しやすいポーズ。初心者がまず練習する形。
2. 第二アラベスク
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軸足と同じ側の腕を前に、反対の腕を横に伸ばす。
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視線を遠くに置き、よりダイナミックな印象を与える。
3. 第三アラベスク
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両腕を前方に伸ばす形。
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上体が前に伸び、空間に長いラインを作る。
4. 第四アラベスク
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両腕を斜め前に上げる。
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作品や振付で使われることが多く、舞台映えするポーズ。
アラベスクの基本的なやり方
スタートポジション
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軸足は1番または5番ポジションから準備。
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背筋を引き上げて姿勢を整える。
動作の流れ
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片足を後ろへまっすぐ伸ばす(90度が理想だが、初心者は低くてもOK)。
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膝は伸ばし、つま先まで美しく引き伸ばす。
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上半身は前へ傾けすぎず、背中を長く保つ。
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腕を種類に応じて配置し、首筋を長く見せる。
注意点
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腰をねじらず、骨盤を正面に保つ
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背中を反らせすぎず、体幹で支える
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足を高く上げるよりも、ラインの美しさを優先する
アラベスクの効果
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バランス感覚が養われる
片足で長く立つことで体幹が強くなる。 -
脚のラインが美しくなる
後ろ足を伸ばすことで太もも・お尻・背中の筋肉が鍛えられる。 -
舞台での表現力が高まる
クラシックバレエの象徴的なポーズであり、観客に印象を残す。
アラベスクを上達させるコツ
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体幹を意識する
お腹を引き上げ、腰が落ちないように支える。 -
足を遠くに伸ばすイメージ
高さにこだわらず、後方へ長く伸ばす意識を持つ。 -
目線と指先を使う
視線を遠くに置き、指先まで流れるラインを意識する。 -
柔軟性を養う
股関節やハムストリングスを柔らかくするストレッチを継続。
よくある間違い
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腰をひねって足を無理に高く上げてしまう
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背中を反りすぎて姿勢が崩れる
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軸足の膝が曲がってしまう
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足のつま先が伸びていない
これらは初心者に多いミスですが、 「高さよりも美しいライン」 を優先する意識を持つと改善しやすくなります。
アラベスクを自宅で練習する方法
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バーや椅子につかまって練習
支えを持って片足を後ろに伸ばし、軸足と体幹を安定させる。 -
鏡を使って確認
横から見て、背中・足・腕のラインが一直線になっているかチェックする。 -
短時間を毎日続ける
1日5分でも繰り返すことで、バランス力と筋力が向上。
まとめ
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「アラベスク」はフランス語で「装飾」を意味し、バレエを象徴する美しいポーズ
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主に 第一〜第四アラベスク があり、作品や流派によって使い分けられる
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高さよりも「ラインの美しさ」と「体幹の安定」が重要
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舞台での表現力を高めるためにも、基礎から丁寧に練習することが大切
アラベスクは、初心者にとっては難しく感じるかもしれません。
しかし「足を遠くに伸ばす」「体幹で支える」という意識を持ち、少しずつ練習していけば、必ず美しいラインを描けるようになります。