〜痛みと無縁で、美しく立ち続けるために〜
バレエを学ぶ多くの人にとって、ポワント（トウシューズ）を履く瞬間はひとつの夢の達成。
しかし、その美しい立ち姿の裏には、足への大きな負担があります。
とくに初心者のうちは、
-
「つま先がとにかく痛い」
-
「マメや靴擦れが治らない」
-
「毎回のレッスンが憂うつ…」
といった悩みを抱える方も少なくありません。
そこで今回は、ポワントを履くバレリーナにとっての“足のケア”の基本から応用までを、丁寧にご紹介します。
これを読めば、痛みに負けず、美しいポワント立ちを保ち続けられるようになります。
■ ポワント初心者がまず知っておきたい「足の構造」と負担ポイント
ポワントで最も負担がかかるのは、以下の3点です：
-
第1趾（親指）と第2趾（人差し指）
-
中足骨のつけ根（足の前方アーチ）
-
足首とアキレス腱まわり
この3つのポイントが、立つ・押す・支えるという役割を担っているため、ここを無防備にしておくとケガや変形のリスクが高まります。
■ ポワント前後に必ず行いたい“ルーティンケア”
① 【履く前】フットウォームアップ
-
足指グーパー×10回
-
足裏マッサージ（テニスボール or 足裏ローラー）1〜2分
-
足首まわし 片足30秒ずつ
▶︎目的：血行を良くして柔軟性UP。筋肉が温まると怪我予防に◎
② 【履いた後】クールダウン＆アイシング
-
足指を1本ずつ軽く引っ張ってリリース
-
ぬるめのお湯で10分程度フットバス（疲労回復）
-
腫れや痛みがある箇所は10分だけアイシング
▶︎ポイント：冷やしすぎず、痛みの元だけピンポイントで対応。
■ ケアアイテムで差が出る！ポワントライフを快適にする小道具たち
| アイテム | 用途 | おすすめ活用タイミング |
|---|---|---|
| シリコンパッド | 指先を守り摩擦を軽減 | レッスン時に毎回使用 |
| テーピング | マメ予防や関節保護 | マメができやすい指に |
| フットクリーム | 乾燥・ひび割れ予防 | 毎晩の習慣にすると◎ |
| 消毒スプレー＆絆創膏 | 靴ずれや小さな傷に | 常にバッグに常備 |
■ “トウ疲れ”を軽減する3つの足トレ
1. タオルギャザー
▶︎床にタオルを敷いて、足指だけで手繰り寄せる
→ 足裏の筋肉（短趾屈筋）を鍛えることで、クッション性UP！
2. トウパッドスクイーズ
▶︎つま先に小さいボールを挟み、ぎゅっとつかんでキープ
→ 足指の“握力”を鍛えて、グリップ力を高めます。
3. ルルヴェ・コントロール
▶︎壁やバーを持ちながら、足裏意識でゆっくりルルヴェ＆おろす
→ バランスを取りながら安定したポワント立ちが身につきます。
■ ケアが必要なのは、心も同じ
ポワントで立つというのは、精神的にも緊張するものです。
「また痛くなるかも…」という不安があると、身体もこわばってしまいます。
だからこそ、日々のケアは“自分を安心させるルーティン”として取り入れてみてください。
-
自分の足にありがとうを言いながらマッサージ
-
お気に入りの香りのクリームでリラックス
-
レッスン後に温かいお茶を飲む時間をつくる
こうした“小さな心の余白”が、身体にも良い影響を与えてくれるのです。
■ おわりに：ケアは努力の証。足元から美しさは始まる
ポワントに立つということは、自分の限界に向き合い、
毎回のレッスンで小さな進化を繰り返していくこと。
そしてそのすべては、“足”から始まります。
「立てることが当たり前」ではなく、
今日も立てたことに感謝できるような足元づくりを、ぜひ今日から始めてみてください。