はじめに:ただ“立つ”だけじゃ足りない
バレエにおいて、ポワントで立つ瞬間は最も観客の目を引く場面のひとつです。
しかし、ただシューズの上に乗っているだけでは、“美しい”とは言えません。
プロのダンサーが放つ、あの“スッと伸びたつま先”の魅力には、いくつもの技術と意識が隠れています。
本記事では、**「ポワント立ちをより美しく、印象的に見せるための5つのヒント」**を紹介します。バレエ歴に関係なく、意識するだけで立ち姿が変わるものばかりです。
1. 「甲」ではなく「つま先」を“見せる”意識を持つ
よくある誤解:
「甲を見せたい!」と思うあまり、無理に足首を伸ばそうとしてしまう方が多くいます。しかし、これではかえって足が重く、形が崩れてしまいます。
美しく見せるコツ:
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見せたいのは“甲”ではなく“つま先のライン”
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指先まで丁寧に伸ばすことが結果的に甲の美しさにつながる
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ポワントで立ったとき、指の先が“空を指すように”意識することでラインが自然と整います
2. 内腿(うちもも)から引き上げる
なぜ大切?
ポワントの美しさは足元だけでなく、**「脚全体の引き上げ」**から生まれます。特に、内腿の筋肉を意識することで、脚の軸がブレずに安定し、脚のラインも細く長く見えるようになります。
実践ヒント:
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バーでのルルヴェでも、内腿で床を押して立つ意識を持つ
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脚を“真ん中に集める”イメージでキープする
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つま先に立つというよりも、“内腿で上に引き上げた結果、つま先に立っている”感覚を目指す
3. 首から上に吊られるような意識を持つ
ポワントで立つと、どうしても下半身に意識が集中しますが、上半身の意識が抜けると重たく見えてしまいます。
美しく見せるポイント:
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首の後ろを長く、頭頂部を糸で引かれているように上へ
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肩と首はリラックスしつつ、デコルテ(胸元)はふわっと広げておく
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重力に逆らうように、全身で“浮かび上がる”イメージを持つことで、軽やかで優雅なポワントになります
4. “止まっている”のではなく、“踊っている”立ち姿を意識する
ポワントで静止する瞬間でも、体の中では踊りが続いている必要があります。
見え方の違い:
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ただ止まっているだけだと“硬くて止まった人形”に見える
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呼吸や体の微細な動きがあると“生きた芸術”に見える
実践のコツ:
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胸・腕・指先にも“空気を通す”ような感覚で
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呼吸を止めずに、見えない音楽を体で奏でるように立つ
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目線や表情も含めて“感情がにじむ静止”を目指しましょう
5. シューズのフィット感とメンテナンスにもこだわる
どんなに体の使い方を意識しても、ポワントシューズが自分に合っていなければ、美しさも安定性も損なわれてしまいます。
チェックポイント:
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足にピッタリ合っているか(長さ・幅・甲の高さ)
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シャンク(中底)が自分の足の強さに合っているか
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リボンやゴムの位置が安定しているか
ケアの工夫:
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使ったあとは必ずしっかり乾かす(湿気は崩れの原因)
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自分の足の形に合うように「中敷きの調整」や「リボンの縫い直し」も検討
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少しでも違和感がある場合は、プロに相談してみましょう
まとめ:美しいポワントは「総合芸術」
ポワントでの美しさは、足元の筋力や柔軟性だけでは決まりません。
全身の意識、立ち方の質、そして内面の感情までもが融合して、“魅せる”踊りになるのです。
今回の5つのヒントを意識すれば、
あなたのポワント立ちはより洗練され、舞台でもレッスンでも周囲の視線を引きつけること間違いなしです。