「もっと引き上げて!」ってどういう意味?
バレエのレッスン中、先生からよく言われる言葉の一つが、「引き上げて!」ではないでしょうか?
でも、初心者の方やバレエ未経験の方にとっては、
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背を伸ばすってこと?
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お腹をへこませるの?
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背筋を伸ばすの?
と混乱してしまうことも多いです。
実はこの「引き上げ」という言葉、身体の内部をどう使うかに関わる非常に大切なキーワードなのです。
「引き上げる」= 上に伸びることではない!
「引き上げる」と聞くと、単純に「上に背を伸ばす」というイメージを持ってしまいがちですが、それだけでは不十分です。
本当に大切なのは、体の内側から支えながら“重力に逆らう力”を発揮すること。
言い換えると、身体の軸(コア)を活性化し、床を押しながら頭頂までエネルギーを流すことです。
初心者でも実感できる!「引き上げ」のポイント5つ
1. 骨盤を立てる
バレエの基本は、骨盤の安定。
前傾も後傾もせず、まっすぐに立った状態で保つことが大切です。
お腹とお尻を軽く引き締めると、骨盤が自然とニュートラルポジションに収まります。
2. お腹を引き上げる感覚をつかむ
お腹を「へこませる」よりも、「内側から上へ引き込む」感覚。
ちょうど、ファスナー付きのタイトなドレスを着て、お腹を引き上げるようなイメージです。
3. 胸は張らず、広げる
ありがちな間違いは、引き上げようとして胸を無理に張ってしまうこと。
そうすると肩が上がり、動きが固くなります。
胸は「前に出す」のではなく、自然に広げて、デコルテ(鎖骨周り)を柔らかく開くのが正解です。
4. 背骨を一本の糸で引かれるように
頭のてっぺんから糸で吊られているようなイメージで、背骨がスッと縦に伸びるように意識しましょう。
この感覚は、正しい姿勢だけでなく、回転やジャンプでも大きな効果を発揮します。
5. 床を押す意識を忘れない
「引き上げ」は「引き下げ」とセット。
つまり、床をしっかりと押し返す力がなければ、身体は上へ引き上がりません。
足の裏・足指・内ももを使って、床に対する反発力を生み出すことが、上半身の引き上げにつながります。
引き上げの効果|なぜ大切なのか?
引き上げを正しく理解し、実践することで得られる効果は絶大です:
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✅ 姿勢が美しくなる
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✅ ケガの予防になる(腰痛・膝痛の防止)
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✅ 回転やジャンプが安定する
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✅ バレエ特有の「軽さ」「浮遊感」が出る
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✅ スタイルアップにつながる(内臓の位置が整う)
また、体幹の意識が身につくことで、日常生活でも疲れにくくなり、全身のエネルギー効率が向上します。
最後に|「引き上げ」は一朝一夕では身につかない
バレエの「引き上げ」は、最初は理解が難しく、身体に定着するまでに時間がかかります。
でも、毎回のレッスンで**「今日はどこが引き上がったかな?」**と丁寧に確認していけば、少しずつ身体が変わっていきます。
焦らず、自分のペースで。
そして「引き上げることが気持ちいい」と感じられるようになると、バレエの美しさがもっと深く味わえるはずです。