ピルエット(Pirouette)の意味
「ピルエット(Pirouette)」はフランス語で「回転する」「旋回する」という意味を持ち、バレエにおいては片足で立ち、回転する動きを指します。
クラシックバレエを象徴する代表的なステップのひとつで、舞台上で最も観客を魅了する技術の一つです。
ピルエットの特徴
-
片足で回転する技術(多くはルティレ・ポジションで行われる)
-
回転の回数をコントロールできる(シングル、ダブル、トリプル以上)
-
正確な軸とバランスが不可欠
-
女性ダンサーだけでなく、男性ダンサーのテクニックとしても頻繁に用いられる
回転数が増えるほど難易度は上がりますが、滑らかで安定したピルエットは観客に大きな感動を与えます。
ピルエットの種類
ピルエットには方向や姿勢によってさまざまな種類があります。
-
ピルエット・アン・ドゥダン(Pirouette en Dedans)
内回り(支え脚側の方向へ回る)回転。 -
ピルエット・アン・ドゥオール(Pirouette en Dehors)
外回り(支え脚と反対方向へ回る)回転。最も多く見られるタイプ。 -
ピルエット・ア・ラ・セゴンド(Pirouette à la Seconde)
脚を横に伸ばしたまま回転する高度な技術。 -
ピルエット・アン・アラベスク(Pirouette en Arabesque)
アラベスクの姿勢で行う華やかな回転。
ピルエットの基本のやり方
-
準備姿勢
5番ポジションや4番ポジションから開始。腕と脚の配置を整えます。 -
プリエ(準備の屈伸)
回転に必要な力を床から引き出すため、しっかり沈み込みます。 -
踏み切りと引き上げ
踏み切り脚で床を押し、支え脚を引き上げて軸を安定させます。多くはルティレ・ポジション(片脚を支え脚の膝に沿わせる形)で回ります。 -
回転
体幹をまっすぐに保ち、視線をスポット(視線の固定と切り替え)で制御しながら回ります。 -
着地
コントロールを保ちながら静かにポジションへ戻ります。
練習のポイント
-
スポッティング(Spotting)
首を素早く回して視線を一定の位置に戻すことで、目が回るのを防ぎ、安定した回転を実現します。 -
体幹の安定
腹筋と背筋を意識して軸をぶらさないようにしましょう。 -
腕の使い方
回転の推進力を腕の開閉でコントロールします。広げすぎず、身体の近くに保つのが安定のコツです。 -
軸足の強化
足首・ふくらはぎ・太ももの筋力を鍛え、支え脚でしっかり床を押せるようにします。
ピルエットが登場する有名な作品
-
「白鳥の湖」:オディールが32回のピルエットを披露する「黒鳥のグラン・パ・ド・ドゥ」は、バレエ史上もっとも有名な見せ場の一つ。
-
「眠れる森の美女」:オーロラ姫のヴァリエーションに登場。
-
「ドン・キホーテ」:キトリのヴァリエーションで、鮮やかなピルエットが観客を魅了します。
初心者へのアドバイス
ピルエットは高度なテクニックですが、次のような練習を重ねると上達が早まります。
-
バランス練習:バーを使ってルティレで静止する練習を繰り返す
-
スポット練習:回転せずに視線だけを切り替える練習を行う
-
小さな回転から:まずはシングルから安定させ、徐々にダブル・トリプルへと挑戦
まとめ
「ピルエット(Pirouette)」は、バレエを代表する回転技術であり、観客の目を釘付けにする重要なステップです。
成功の鍵は 体幹の安定・スポットの活用・プリエの力強さ にあります。
地道な練習を重ねることで、華やかで安定したピルエットを身につけ、舞台上で大きな魅力を発揮できるようになります。
🔗 関連リンク:
-1-120x120.png)