バレエのアームス(腕のポジション)入門|優雅なラインを作るコツ

バレエを美しく見せるために欠かせないのが、「アームス(arms)=腕のポジション」です。どんなに足元のテクニックが正確でも、腕の使い方ひとつで印象が大きく変わってしまいます。

今回は、アームスの基本ポジションと、美しいラインを作るための意識ポイントを詳しく解説していきます。


■ アームスの基本ポジションとは?

バレエには、基本となる5つのアームスのポジションがあります。それぞれのポジションは、足のポジションと連動していることが多く、正しく覚えておくことが大切です。

1. アン・バー(en bas)

両腕を丸く保ち、指先を太ももの前に軽く浮かせた位置。リラックスしすぎず、腕の内側を少し引き上げる意識を持ちます。

2. アン・ナヴァン(en avant)

胸の前で丸く保ったポジション。肘が下がらないよう、手のひらと指先を柔らかく保つのがコツ。

3. アン・オー(en haut)

頭の上に腕を丸く保った状態。肩が上がらないように注意しながら、頭の上に柔らかくフレームを作るようなイメージで。

4. セカンド・ポジション(2番)

腕を横に開いた状態で、肘が下がらず、指先はやや下向き。真横に張らないよう、少し前にカーブさせるのがポイント。

5. アロンジェ(allongé)

ポジションを移行する際や、表現として腕を伸ばす動作。指先まで意識を通し、優雅に流れるようなラインを描きます。


■ 美しいアームスを作るための3つのコツ

肩の力を抜いて広がる背中を意識

アームスで多いミスが「肩が上がる」こと。
実際には、肩甲骨を背中に下げて広げる意識を持つと、自然と腕のラインが整ってきます。

指先まで“気”を通す

アームスでは、指の先まで神経が通っているように動かすことが重要です。
“ここから先は無意識”という状態をなくし、手首や指先の表情まで美しく見せる意識を持ちましょう。

肘の高さとカーブを常にチェック

アームスのカーブが崩れると、全体のシルエットが台無しに。
鏡で肘の位置や手の高さをチェックし、常に“楕円”を描くような感覚をキープしましょう。


■ よくあるお悩みと解決法

 

お悩み 解決のヒント
肘が下がってしまう 背中を起こして、肩甲骨を下へ引く意識を持ちましょう。
手が固くなる 指先まで“空気をつかむように”柔らかく、力を入れすぎない。
アームスの移動がぎこちない 呼吸と一緒に動かすと、自然な流れが出てきます。フローを大切に!

■ アームスのトレーニング方法

● 壁を使って肩の位置を確認

背中を壁につけてアン・ナヴァンやアン・オーを練習すると、肩が上がっていないか確認しやすくなります。

● 両手で丸いボールを持ってみる

本物のボールを使うことで、腕の丸み・距離感・カーブを体感できます。これは特に初心者におすすめ!

● 音楽に合わせてアームスのみ練習

足の動きがない状態で、ゆっくりと音楽に合わせてアームスのポジションチェンジを行うと、動きの質がぐっと上がります。


■ アームスが変わると、バレエ全体が変わる!

アームスは単なる“手の動き”ではなく、感情やストーリーを表現する大切なパーツです。

一つ一つのポジションを丁寧に学ぶことで、踊りの完成度も格段に上がります。まずは、肘・手首・指先の意識をしっかり持つことから始めましょう。


🩰まとめ

  • アームスは5つの基本ポジションを正しく身につけるのが第一歩

  • 肩の力を抜いて、背中と指先をつなぐ意識を持つ

  • 鏡やボールを使った練習で、感覚を体に覚え込ませよう

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