バレエに必要な柔軟性を安全に、そして効率よく高めるために
バレエにおいて、股関節の柔軟性は欠かせない要素です。
アラベスク、デヴロッペ、グランバットマン、ターンアウト(アン・ドゥオール)など、股関節の可動域が広いほど、美しいラインや動きの幅を実現できます。
しかし、やみくもに開脚を繰り返したり、無理なストレッチを続けていると、筋肉を痛めたり、腰を反りすぎてしまったりと逆効果になることもあります。
このブログでは、股関節を安全に、そして効率よく開くためのストレッチ方法とポイントを、丁寧にご紹介します。
✅ 目次
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なぜバレエに股関節の柔軟性が必要なのか?
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股関節の可動域が狭いとどうなる?
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安全に柔軟性を高めるための3つのルール
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股関節を開く!おすすめストレッチ5選
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ストレッチ+筋トレの重要性
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まとめ:股関節の柔らかさは“努力”と“継続”の賜物
1. なぜバレエに股関節の柔軟性が必要なのか?
バレエの基本ポジションはすべて**ターンアウト(外旋)**を前提としています。
股関節が開いていないと、以下のような問題が起こります:
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膝や足首に負担がかかりやすくなる
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アラベスクやグランバットマンの高さが出にくい
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動きが“硬く”見える
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軸のブレやすさにもつながる
つまり、股関節の可動域の広さ=踊りの美しさと安全性に直結するのです。
2. 股関節の可動域が狭いとどうなる?
症状 | 原因の一例 |
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膝が外に向かず、内股気味になる | 股関節外旋筋の硬さ・弱さ |
アラベスクで腰が反りすぎる | 股関節伸展の制限/体幹の弱さ |
脚を開いても上体が起きない | 内転筋・ハムストリングスの硬さ |
パッセやピルエットで軸足が不安定 | 股関節周囲の筋バランス不良 |
3. 安全に柔軟性を高めるための3つのルール
① ウォームアップを忘れない
ストレッチ前に**5~10分の軽い有酸素運動(ウォーキングやジョグなど)**を行うことで、筋肉が温まり、ストレッチ効果が高まります。
② 痛みを感じるまで無理に伸ばさない
「気持ちいい~少しツライ」くらいでキープ。
呼吸を止めずに30秒〜60秒キープが目安。
③ 筋力トレーニングとセットで行う
柔軟性だけでなく、可動域を使いこなす筋力も同時に鍛えることで、実際の踊りで活かされます。
4. 股関節を開く!おすすめストレッチ5選
① バタフライストレッチ(股関節内転筋)
目的:内もも・骨盤周辺の柔軟性UP
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座って足の裏同士を合わせる
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背筋を伸ばして上体を前に倒す
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両膝を床に近づけるように意識
▶ 30秒〜1分キープ × 2セット
② 開脚前屈ストレッチ(ハムストリング+内転筋)
目的:開脚・グランジャンプの可動域拡大
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脚を大きく左右に開く(90度以上)
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背筋を伸ばしたまま前屈
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手を前に伸ばして胸を床に近づける
▶ 無理のない範囲で60秒キープ × 2セット
③ 仰向け開脚ストレッチ(受け身で深まる)
目的:重力を使って自然に股関節を開く
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仰向けになり、脚を壁に立てる
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壁を支えにしながら脚をゆっくり左右に開く
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脚の重みで自然に股関節が広がる
▶ 2〜3分リラックスしてキープ
④ ハムストリングストレッチ(後ろ脚伸展)
目的:アラベスク・デヴロッペの可動域向上
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脚を前後に開いてランジの姿勢
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前脚を伸ばし、お尻を後ろに引く
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背中を丸めず、前脚のハムストリングを意識
▶ 左右30秒ずつ × 2セット
⑤ パドレク(股関節・体幹の複合ストレッチ)
目的:ターンアウトと体幹の連動改善
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四つん這いの姿勢から片脚を横に伸ばす
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骨盤を正面に向けたまま、背筋を伸ばして上体を前に倒す
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体幹と股関節の連携を意識して行う
▶ 各脚30秒 × 2セット
5. ストレッチ+筋トレの重要性
柔らかくなるだけでは不十分。
**可動域を“コントロールする力”**が必要です。
おすすめ筋トレ:
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クラムシェル(中臀筋の強化)
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ヒップリフト(骨盤の安定)
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スローランジ(股関節周囲の強化)
これらを組み合わせて、**柔軟性+筋力のバランスのとれた“使える可動域”**を手に入れましょう。
6. まとめ:股関節の柔らかさは“努力”と“継続”の賜物
バレエにおける柔軟性は、見た目の美しさだけでなく、安全性と機能性にも直結します。
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毎日のルーティンに取り入れる
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無理せず、でも地道に続ける
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筋力とのバランスを意識する
これらを守れば、確実に可動域は広がり、踊りのクオリティが向上します。
あなたの股関節も、きっと“もっと動けるようになる”はず。ぜひ今日から取り入れてみてください。