回転力と安定感は“最初の一歩”で決まる
ピルエットで「回れない」「ブレる」「軸がズレる」と悩む方へ──
その原因、実は“回る前のプリエ”にあるかもしれません。
ピルエットの成功は、ジャンプと同じく「どれだけ良い準備ができているか」にかかっています。
この記事では、ピルエットの直前に行うプリエに注目し、その正しいフォーム、意識すべきポイント、よくあるNG例、そして効果的な練習法まで詳しく解説します。
🔍 目次
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なぜプリエが重要なのか?
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ピルエット前の理想的なプリエとは
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よくあるNG例とその修正方法
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プリエから“軸を育てる”感覚とは
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おすすめのトレーニング&意識練習
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まとめ:ピルエットは「回る」よりも「準備」で決まる
1. なぜプリエが重要なのか?
プリエは「ピルエットの準備動作」であり、
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地面からの反発力(push)を得る
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軸に入る流れをつくる
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下半身→体幹→上半身へのエネルギー移動
のすべてのスタート地点です。
もしこのプリエが浅かったり、ずれていたりすれば、
その後の“軸に乗る感覚”や“体の引き上げ”に支障が出てしまいます。
✅ 良いプリエができれば、半分以上成功していると言われるほど、重要なプロセスです。
2. ピルエット前の理想的なプリエとは
理想的なプリエには、次の3つのポイントが揃っている必要があります:
✔ 深さ
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自分の可動域の中でしっかり沈む
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ただ深く曲げるのではなく、“下に伸びる”感覚を持つ
✔ 方向
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膝がつま先の方向と一致していること
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お尻が後ろに出ない(骨盤が立っている)
✔ 準備の“間”
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プリエ→上がる→回転の一連の流れがなめらか
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“溜めすぎない”“焦らない”バランス感覚
3. よくあるNG例とその修正方法
NG例 | 問題点 | 修正のヒント |
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プリエが浅い | 推進力不足 | 一度深めのプリエで“沈む感覚”を体に覚えさせる |
骨盤が前傾/後傾 | 軸に入れない | おへそを引き上げて、腰を立てる意識を持つ |
プリエからすぐ回る | 助走のように回る | プリエ→引き上げ→回転の流れを丁寧に |
4. プリエから“軸を育てる”感覚とは
「プリエ=助走」と考えると、力任せに回ろうとしてしまいがちです。
本来のプリエの目的は「軸に入る準備とエネルギーのチャージ」。
✔ 深く沈んだプリエ → 地面を押す力 → 引き上げ → 回転の流れ
この上昇のエネルギーが、ピルエットを軽く美しく見せてくれるのです。
また、プリエで体幹の力を逃がさずにキープできていると、回転中も軸が安定します。
5. おすすめのトレーニング&意識練習
🟣 スロープリエ+ポーズ
1番または5番ポジションで、ゆっくりプリエ→ドゥミ→ポーズで止まる
→ プリエ中の重心移動・軸確認の練習に効果的
🟣 フロアでのプリエ分解練習(バーレス)
鏡の前でプリエ→立ち上がる→ピルエット“直前”の形まで確認
→ 準備から体幹のつながりを習慣づける
🟣 呼吸とともにプリエする
→ 吸って沈み、吐きながら立ち上がる流れ
→ 無駄な力みを減らし、リズムの一貫性を作る
6. まとめ:ピルエットは「回る」よりも「準備」で決まる
ピルエットは、「プリエ→引き上げ→回転→着地」の連続動作です。
この最初の“プリエ”がブレていると、どんなに回転技術があっても軸が取れません。
✅ 正しいプリエを習得すれば、
- ブレない回転
- 軽やかな1回転・2回転
- 美しいフィニッシュ
が手に入ります。
今日のレッスンから、“回る前の1秒”に意識を向けてみてください。