バレエの中でも特に難しい技術の一つ「ターン(回転)」。
「毎回バランスを崩してしまう…」
「いつも同じ方向でしか安定しない」
「ピルエットが怖くて勢いが出せない」
そんな悩みを抱えている方は少なくありません。
でも大丈夫!
安定しないのには明確な原因があり、それぞれに対策方法が存在します。
今回は、バレエのターンが安定しない「主な5つの原因」と「今すぐできる対処法」をわかりやすく紹介します。
原因①:軸がぶれている
よくある症状:
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回っている途中で体が左右に揺れる
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頭や胴体がズレていく感覚がある
解決法:
✅ パッセやルティレでの静止練習を徹底する
✅ 鏡を使って正中線を意識する
✅ 足裏・体幹トレーニングを取り入れる(バランスディスクなども有効)
💡 軸は「耳・肩・腰・踵」が一直線になるイメージを持ちましょう!
原因②:スポットができていない
よくある症状:
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回転の途中で目線が泳ぐ
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どこを見ているのか自分でもわからない
解決法:
✅ 鏡に向かって首だけでスポットの練習を毎日続ける
✅ スポットを首の反射運動のように素早く行う
✅ 回転中も「視線の戻し先(ターゲット)」を明確に
💡 スポットができるだけで、目まいも減り、ターンの方向が定まりやすくなります!
原因③:プリエとルルヴェのタイミングが合っていない
よくある症状:
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回るときにタイミングがズレて足が引っかかる
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上に上がる勢いが足りない・沈んでしまう
解決法:
✅ プリエからルルヴェに入る**“瞬間”の感覚**を鏡で確認
✅ 音楽に合わせてタイミング練習(8カウントでプリエ → 1カウントでアップ)
✅ ルルヴェの高さ・軸の通り方を調整する(かかとが落ちないよう注意)
💡 ターンの“スタート”がズレると、全てが狂ってしまいます!
原因④:体幹が弱い
よくある症状:
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お腹や背中がグラグラする
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上半身と下半身の動きがバラバラ
解決法:
✅ 体幹トレーニング(プランク、サイドプランク、デッドバグ)を週に数回
✅ 回る前に背中〜腰を引き上げる意識を持つ
✅ 胸を開きすぎない・反り腰にならないよう注意
💡 強い体幹は安定した回転を支えます。引き上げる力は「お腹」から!
原因⑤:回転への“恐怖心”がある
よくある症状:
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勢いが出せない・遠慮がちに回ってしまう
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失敗を恐れて動きが小さくなる
解決法:
✅ まずは半回転・1回転だけで成功体験を積む
✅ マットやターンボードなどの安心できる環境で練習
✅ 「怖くない」と自分に言い聞かせるメンタルトレーニングも効果的
回転は「自信の表現」。小さく回るより、思い切って大きく、堂々と回る方が安定することも多いのです。まずは心を整えて、安心できる条件の中で練習を重ねていきましょう。
まとめ:一歩ずつ「できる!」を積み重ねて
バレエのターンが安定しないときは、技術だけでなく体の使い方・筋力・心理面など、様々な要因が絡んでいます。
でも、それぞれの課題には解決策があります。今回ご紹介した5つの原因と対処法を振り返ってみましょう。
原因 | よくある症状 | 解決法の一例 |
---|---|---|
軸のブレ | 体が左右に揺れる | 正中線を意識し、静止練習を徹底 |
スポット不足 | 視線が泳ぐ・方向がズレる | 首だけでスポット練習を反復 |
タイミングのズレ | 回転が重い・勢いがない | プリエとルルヴェを音楽に合わせて練習 |
体幹の弱さ | お腹・背中がグラつく | プランクなどで体幹を強化 |
恐怖心 | 小さな回転しかできない | 成功体験を積んで自信をつける |
毎回「なぜうまくいかないのか?」を考えて練習すれば、ターンの質は確実に上がっていきます。
完璧なピルエットは、一日にして成らず。
一歩ずつ、少しずつ、自分の「ベストな回転」を目指していきましょう!
おまけ:自宅でできる簡単ターントレーニング3選
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椅子の背に手を添えたパッセ静止(1分 × 左右)
→ 軸とバランス感覚を磨く! -
スポット練習(鏡の前で目線を素早く戻す)
→ 首の反射運動を身体に覚え込ませる! -
ターンボード(回転補助器具)で1回転の感覚を掴む
→ 怖さを克服し、回る感覚を身体で覚える!