バレエのレッスン中にこんな言葉を聞いたことはありませんか?
「もっとお腹を引き上げて!」
「軸を意識して!」
「体幹が大事!」
それって、結局どういうこと?と疑問に思う方も多いはずです。
クラシックバレエにおいて、「体幹(コア)」は単なる筋トレの概念ではありません。
**美しい姿勢、安定した軸、軽やかなジャンプや回転を支える“内なる力”**です。
この記事では、
✅ 体幹とは何か
✅ バレエにおける体幹の役割
✅ 日々の練習に取り入れられる効果的なコアトレーニング
を詳しく解説していきます。
体幹とは何か?バレエでの「コア」の意味
体幹(core)とは、胴体の中心部分を構成する筋肉群のこと。
腹筋、背筋、横隔膜、骨盤底筋群など、いわゆる「見えない力の源」です。
バレエにおいて体幹が必要な理由
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姿勢を保つ(アライメント)
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軸足と動足の分離制御
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ターンやジャンプ時の安定性
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呼吸と筋力の連動
つまり、体幹が安定していないと、いくら脚を上げても、回っても、動きが流れてしまい、美しく見えません。
体幹を使えているかチェック!
以下の質問に「YES」が多ければ、あなたの体幹はきちんと働いています。
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立っていてもお腹が自然に引き上がっていると感じる
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片足で立ったときにグラグラしない
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アラベスクで上体が下がらない
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ターンで軸がぶれず、視線が安定している
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腰を反らずに背筋を伸ばせる
YESが少なかった方も心配無用。これから紹介するトレーニングで鍛えていけます!
バレエに活かせる体幹トレーニングメニュー
🔸 1. プランク(30秒〜)
基本の体幹トレーニング。
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肘とつま先を床につけてうつ伏せ
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腹筋と背筋を引き上げ、一直線に保つ
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お尻が上がったり落ちたりしないように注意
ポイント:呼吸を止めずにキープ!
🔸 2. デッドバグ
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仰向けになり、両手・両足を天井方向へ上げる
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右手と左脚を同時にゆっくり下ろす
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元に戻し、反対も同様に
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10回×2セット
ポイント:腰が反らないように床に押しつける感覚で
🔸 3. 片足バランス+アームポジション
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1番や5番ポジションから片足ルルヴェ(つま先立ち)
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アームス(腕)を2番→アンオー→アンナヴァンなどに移動
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片足で10秒以上キープできるよう練習
ポイント:丹田(おへその下)を意識して中心を保つ
🔸 4. ペルビック・ティルト(骨盤安定)
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仰向けで両膝を立て、背中と床の隙間を埋めるように骨盤を後傾
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数秒キープして緩める(10回)
ポイント:骨盤の安定と腹筋の連動を意識
練習中に意識したい「体幹を使う」感覚
💡 引き上げとは「引っ張る」ではなく「支える」
「お腹を引き上げる」と言われると、上に力を入れすぎて呼吸が止まる方も多いです。
感覚的には“お腹の内側に風船がある”ように、ふわっと支えること。
横隔膜や腹横筋がしっかり働くと、自然に背筋も伸びて動きが軽やかになります。
💡 足だけではなく“胴体ごと”動かす
ジャンプやターンのとき、脚だけを一生懸命使うのではなく、
胴体(コア)を中心に全身が連動するイメージが大切。
例えば、ピルエットでは腹筋の引き上げ+背中の伸び+骨盤の安定がすべて揃って初めて安定した回転ができます。
よくある誤解とその対策
誤解 | 本当はこう! |
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腹筋を鍛えれば体幹は強くなる | 体幹は“複数の筋肉の連携”が重要 |
姿勢を正すには背筋だけが大事 | 腹筋と背筋のバランスが大切 |
軸を作るには足元を意識すればいい | 軸は骨盤と背骨の“中の支え”が鍵になる |
まとめ:バレエの美しさは「内側」から生まれる
優雅でブレない動き。美しく引き上がった上半身。軽やかなジャンプや回転。
それらすべての裏にあるのが、体幹=インナーマッスルの力です。
見た目には分かりにくいかもしれませんが、体幹の意識を変えるだけで、あなたのバレエは確実に変わっていきます。
今日からのレッスンで「軸を感じる」「中心から動く」ことを意識してみましょう!