「プリエはすべての動きの基本」
バレエを習い始めると、真っ先に教わるこの動作。けれど、その奥深さに気づくのは少し経験を積んでからかもしれません。
プリエは、ジャンプの準備、ターンの安定、柔軟性、そして怪我予防にも直結する、まさにバレエの“土台”。今回は、初心者から中級者の方に向けて、プリエの正しいやり方・よくある間違い・改善ポイントをわかりやすくご紹介します。
プリエとは?|バレエの動きの「呼吸」
フランス語で「曲げる」という意味をもつプリエ(plié)。バレエでは脚を曲げる動作を指し、主に次の2種類があります:
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ドゥミ・プリエ(Demi-plié):軽く膝を曲げる(90度未満)
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グラン・プリエ(Grand plié):しっかり膝を深く曲げる(股関節まで)
このプリエがなぜそれほど重要なのか?
それは以下の理由にあります。
✅ クッションの役割
ジャンプやターンの衝撃を吸収する、「衝撃緩和装置」。
✅ 力の起点
ジャンプや回転などの動きは、プリエの反動から生まれる。
✅ 可動域とアライメントの確認
正しいプリエは、**股関節・膝・足首の整列(アライメント)**ができていないと行えない。つまり、プリエの質で体の使い方がわかる!
正しいプリエのチェックポイント
1. 膝とつま先は同じ方向を向いているか?
足を開いて立つと、膝が内側に入りがちになります。これは膝や足首を痛める原因。
→ つま先と膝を同じ方向にキープ(開きすぎないことが大事!)
2. 骨盤が立っているか?
腰が前後に傾いていると、背骨や膝に負担がかかります。
→ お腹を軽く引き上げ、骨盤をまっすぐ立てる意識を!
3. 背中はまっすぐ?首は長く?
背中を丸めてしまうと、プリエが浅くなり、呼吸も浅くなります。
→ 背筋を長く、首と背骨を引き上げるように!
4. かかとが浮いていないか?
ドゥミ・プリエではかかとは床につけたまま。
→ 無理に深く曲げず、アキレス腱を感じながら優しく!
よくある間違いとその対処法
誤ったプリエ | 原因 | 改善のヒント |
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膝が内側に入る | ターンアウト不足/股関節の柔軟性不足 | ポジションを開きすぎず、股関節から開く意識を |
骨盤が後傾している | 腹筋・体幹が弱い | 壁を背にして背骨を意識/体幹トレーニング |
グラン・プリエでかかとが早く浮く | 足首の硬さ/重心の位置ミス | ゆっくり行い、体重を足全体で感じる練習を |
自宅でできる!プリエ上達エクササイズ3選
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壁プリエ(背中と腰を壁につけたままプリエ)
→ 背骨の軸と骨盤の角度を体に覚えさせます。 -
フロアプリエ(床に座って)
→ 座った状態で膝を開閉。股関節の可動域を安全に広げる。 -
鏡チェック
→ フロントで全体、サイドで骨盤と背中のラインを確認!
プリエの美しさが動きのすべてを変える
バレエの上達に悩んだとき、多くのダンサーが原点に戻るのが「プリエ」です。
見た目には地味でも、そこに詰まっているのは動きの土台・呼吸・表現の始まり。
バレエに限らず、他ジャンルのダンサーやフィギュアスケーター、役者やアスリートまでもが、プリエの重要性を理解し、練習に取り入れています。
まとめ|「プリエを制する者はバレエを制す」
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プリエはすべてのバレエ動作の基礎であり、正しいフォームこそが上達と怪我予防のカギ。
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初心者ほど、無理な開きや深さではなく、正確さと意識の質を重視して練習することが大切。
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日々のレッスンに「意識するプリエ」を取り入れるだけで、ジャンプやターンの質も大きく変わります。