舞台に立つとき、あなたの踊りが何よりの表現であることは間違いありません。
けれど、客席からその想いをしっかりと“伝える”ためには、メイクも大きな武器になります。
発表会やコンクール、プロの公演でも重要視されるバレエメイク。
それは単なる“おしゃれ”ではなく、舞台照明に負けず、遠くの観客にも表情を届けるための技術です。
今回は、バレエダンサーのための「照明映え」と「表情が伝わる」メイク術を、完全ガイドとしてお届けします!
■ なぜバレエに“特別なメイク”が必要なの?
舞台用メイクは、日常メイクとは目的も手法も異なります。
◇ 照明による顔の“飛び”
強い舞台照明は、顔の立体感や色味を飛ばしてしまい、のっぺりとした印象になりがちです。
そのため、コントラストのある濃いメイクが必要になります。
◇ 距離による“表情の見えにくさ”
客席からステージまでは、思った以上に距離があります。
自然な表情を伝えるためには、眉・目・口元を強調して、遠くからでも感情が伝わる工夫が必要です。
■ 基本の流れ:バレエメイク7ステップ
初心者でも安心して実践できる、バレエメイクの基本手順をご紹介します。
① ベースメイク(下地&ファンデーション)
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照明でテカらないマットな仕上がりが理想
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厚めにしっかり塗る(ステージ用ファンデが◎)
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首筋や耳までしっかり塗り、色ムラを防ぐ
② シェーディング&ハイライト
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鼻筋、頬骨、フェイスラインに陰影をつける
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顔に立体感を持たせるのが目的
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白と茶色でコントラストを意識
③ アイブロウ(眉)
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太めでくっきり描く
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表情を左右する重要パーツ
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少し上向きに描くと若々しい印象に
④ アイメイク(アイシャドウ・アイライン)
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シャドウはブラウン〜濃いグレー系でグラデーション
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アイラインは太め・長めに引く(つり目気味が舞台映え)
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目の下にもラインを入れて目を大きく見せる
⑤ つけまつげ
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長め・濃いめの舞台用がおすすめ
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上下両方つけると目が際立つ
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強力なグルーでしっかり固定
⑥ チーク
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頬骨の高い位置に濃いめに入れる
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表情を明るく見せるポイント
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血色感+表現力UP!
⑦ リップ
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赤〜ローズ系で濃くはっきり塗る
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輪郭をしっかりとるのが重要
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笑顔やセリフが映えるように
■ 年齢別・バレエメイクのポイント
◇ 小学生以下のキッズ
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アイラインやシャドウは控えめでOK
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表情が見える程度の濃さに
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チークとリップで血色感を重視
◇ 中高生〜大人
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舞台照明を意識して濃いめが基本
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アイラインとシェーディングは必須
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作品の世界観(妖精?姫?村娘?)に合わせた調整を
■ よくある失敗&対策
失敗例 | 原因 | 対策 |
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顔が白浮きする | 明るすぎるファンデ or ハイライトの入れすぎ | 舞台ライトの下で確認しながら調整 |
目元がのっぺり見える | アイメイクが薄すぎる | アイラインとシャドウを濃くグラデ |
チークがぼんやり | 入れる位置が低い or 薄い | 頬骨の高い位置にしっかり濃く入れる |
メイクが崩れる | 汗・摩擦・メイク持ち不足 | ウォータープルーフ+仕上げスプレー |
■ メイク練習のコツ
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本番の1〜2週間前から練習スタート
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鏡+ライトで“舞台想定”の状態を再現
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メイク後に踊ってみて、汗に強いか確認
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写真・動画を撮って見直すと改善点が見える!
■ おすすめアイテム(初心者~中級者向け)
種類 | おすすめアイテム | ポイント |
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ファンデ | Mehron, Ben Nye | 舞台用・汗に強い・高発色 |
アイライナー | K-パレット, M・A・C | 落ちにくく、はっきり発色 |
つけまつげ | ドーリーウィンク舞台用, D-UP | 舞台仕様で強調効果抜群 |
フィニッシングスプレー | M・A・C Fix+, メイベリン SuperStay | 崩れ防止・密着力アップ |
■ 最後に:メイクで“物語”を届けよう
あなたの踊りが観客の心に届くかどうか――
それは、メイクの力も大きく関わっています。
舞台メイクは、「自分をより魅せるための技術」であり、「作品世界の一部になるための演出」です。
時間をかけて準備したメイクが、あなたの踊りに自信と説得力を与えてくれるはずです。