背中から魅せる踊りへ|ポールドブラと軸の安定に効くトレーニング&意識づけ
バレエの動きで「肩に力が入っているよ」と言われたことはありませんか?
また、「腕の動きが硬く見える」「背中が丸くなる」などの悩みも多くのダンサーが抱えています。
それらの原因の多くは、肩甲骨の使い方がうまくいっていないことにあります。
本記事では、バレエで肩甲骨を美しく・自由に・安定して使いこなす方法を、ストレッチ・トレーニング・意識の3方向から丁寧に解説します。
✅ 目次
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肩甲骨の役割とバレエでの重要性
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肩甲骨が“使えていない”状態のサインとは
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肩甲骨を目覚めさせる!準備ストレッチ3選
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肩甲骨をコントロールする筋トレ5選
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バレエでの応用:ポールドブラ・アームスのコツ
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よくあるNGパターンと修正法
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まとめ:肩甲骨を“羽のように”使いこなすために
1. 肩甲骨の役割とバレエでの重要性
肩甲骨(けんこうこつ)は、背中に左右対で存在し、腕の動きの土台になるパーツです。
バレエにおいては、次のような動きの質に深く関係します:
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ポールドブラの滑らかさとライン
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上体の開き(胸・背中の表現力)
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腕のポジションの安定
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ピルエットやアラベスク時の軸保持
つまり、肩甲骨がしなやかに動き、かつ安定していることが、美しい踊りには欠かせません。
2. 肩甲骨が“使えていない”状態のサインとは
以下に当てはまる方は、要注意です:
症状 | 考えられる原因 |
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腕が重く見える | 肩甲骨が固定されていない |
肩が上がる・力む | 僧帽筋(首の筋)が過緊張 |
背中が丸まる | 肩甲骨が外に開ききっている |
2番ポジションで腕が落ちる | 菱形筋・広背筋が弱い |
肩甲骨を意識的にコントロールすることで、これらの悩みが改善されます。
3. 肩甲骨を目覚めさせる!準備ストレッチ3選
① 壁リーチストレッチ(前鋸筋ほぐし)
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壁に手をつき、体を前に倒す
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肩甲骨の内側に伸びを感じながら20秒キープ
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左右2回ずつ
② タオルで肩回し
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タオルを両手で持ち、背中越しに上下に動かす
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肩甲骨の引き寄せと動きを意識
③ 肩甲骨ほぐし(肩回し)
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肘を大きく回すように肩をぐるぐる
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前回し・後ろ回し 各10回
4. 肩甲骨をコントロールする筋トレ5選
① クラムシェル・プラス(脇と背中の安定化)
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肘を体側に添えて、腕だけ開閉
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肩を固定し、背中を意識して行う
② プローン・Tレイズ
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うつ伏せで両腕を真横に伸ばし、肩甲骨を寄せながら浮かせる
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肩甲骨中央(菱形筋)に効く!
▶ 10回 × 2セット
③ スキャプラ・プッシュアップ(肩甲骨プッシュ)
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四つん這いで腕立て伏せのように、肩甲骨だけを前後に動かす
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前鋸筋と肩甲骨の分離運動
④ スーパーマン(全体の背中強化)
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うつ伏せで手足を持ち上げ、10秒キープ
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背中全体のコントロール力を育てる
⑤ チューブ引き・ロウイング
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セラバンドを使って、肩甲骨を寄せる動作を繰り返す
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腕ではなく「背中で引く」ことを意識
5. バレエでの応用:ポールドブラ・アームスのコツ
✔ ポールドブラでの肩甲骨の使い方
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腕を前に出すとき:「腕から」ではなく「背中から」伸ばす
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アームスの動きは、肩甲骨の動きの延長として考える
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手の甲や指先ではなく、「肩甲骨をどう動かすか」が主役
✔ 軸を保つための肩甲骨の安定
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ピルエット時などの上半身の安定には、肩甲骨の“固定力”が必須
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菱形筋や広背筋が弱いと、アームスがブレやすい
6. よくあるNGパターンと修正法
NG動作 | 修正ポイント |
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肩がすくむ | 肩を下げるのではなく、「背中を引き下げる」意識 |
腕だけで動かす | 腕は背中の一部と捉え、背面からコントロール |
背中が動かない | 肩甲骨のストレッチと筋トレを習慣化 |
7. まとめ:肩甲骨を“羽のように”使いこなすために
バレエのアームスや背中のラインが美しいダンサーは、例外なく肩甲骨を意識的に使いこなしています。
単に腕を動かすのではなく、背中から動かす、背中で支えるという意識とトレーニングの積み重ねが、踊りの質をワンランクアップさせてくれます。