ルルヴェのコツとトレーニング|美しく安定した立ち方をマスターしよう

クラシックバレエにおいて、美しいルルヴェ(relevé)は踊り全体の印象を大きく左右します。
ピルエットの前、アダージオの中、ポワントワーク、さらにはフィニッシュのポーズに至るまで、
ルルヴェの“質”がバレエの完成度を高める鍵と言えるでしょう。

しかし、初心者から中級者まで、以下のような悩みを抱える方は少なくありません:

  • 「ふらついてしまう…」

  • 「踵がすぐに落ちてしまう」

  • 「足首が固くて高さが出ない」

  • 「膝が曲がってしまう」

この記事では、ルルヴェを安定させるための基本知識とコツ、そして自宅でできるトレーニングを解説します。
見違えるほど美しく、強いルルヴェを目指しましょう!


ルルヴェとは?

バレエにおける「ルルヴェ(relevé)」とは、足の裏で床を押して踵を持ち上げる動きのこと。
ルルヴェには以下の2種類があります:

  • ドゥミ・ポワント(ハーフポイント):裸足やバレエシューズで踵を上げる

  • ポワント:トウシューズを履いて完全につま先立ちになる

どちらの場合も重要なのは、「安定性・高さ・まっすぐな軸」です。


なぜルルヴェが難しいのか?

バレエのルルヴェが難しい理由は以下の通り:

  1. 足の小さな筋肉を使う動きだから

  2. 体幹と下半身の連携が求められるから

  3. 正しいポジションと姿勢の保持が必要だから

つまり、足だけで頑張ろうとするとバランスが崩れ、ぐらぐらしてしまいます。


ルルヴェを美しく安定させる5つのコツ

①「床を押す」感覚を大切に

ルルヴェで最も大事なのは、床を強く押す意識です。
ただ踵を持ち上げるのではなく、足の裏全体で床を押し返しながら体を引き上げる感覚を持ちましょう。

✔️ 足裏のポイント:

  • 母趾球(親指のつけ根)

  • 小趾球(小指のつけ根)

  • 踵の中心(意識上)

この3点でしっかりと「三脚」のように支えることが重要です。


② 足首だけで上がらない!

足首の力だけで無理に持ち上がろうとすると、ふらつきやすく、アキレス腱にも負担がかかります。
引き上げの主力は“体幹と内腿”

✔️ 意識ポイント:

  • 肋骨を引き上げ、骨盤との間を長く保つ

  • 内腿を使って脚を「閉じる」ように意識

  • お尻を締めすぎず、骨盤を中立に保つ


③ 膝は伸ばして、でもロックしない

膝を伸ばすことは重要ですが、**過伸展(hyperextension)**にならないよう注意しましょう。

✔️ 自分の膝が後ろに反りやすいタイプの人は、
ほんの少しだけ膝を緩める意識を持つと、筋肉のコントロールがしやすくなります。


④ 踵の高さを均一に保つ

ルルヴェ中に踵がぐらついたり、左右で高さが違うとバランスが崩れます。
特に5番ポジションやピルエットのプレパレーションでは、両足の高さを揃えることが大切です。

✔️ 姿見でチェック:

  • 正面・横から見て踵の高さが揃っているか?

  • 体が前後に傾いていないか?


⑤ 呼吸と連動させる

息を止めた状態でルルヴェをすると、全身が緊張してしまいます。
吸いながら上がり、吐きながら下りる
このように呼吸と動きを連動させることで、動作がスムーズに安定します。


自宅でできるルルヴェ強化トレーニング

トレーニング①:タオルスクラッチ

  1. 椅子に座り、床にタオルを敷く

  2. 足の指でタオルをたぐり寄せる
    → 足裏の細かい筋肉を強化!


トレーニング②:壁ルルヴェ

  1. 壁に手を当ててまっすぐ立つ

  2. 両脚を伸ばしたままゆっくりルルヴェ

  3. 3秒キープしてゆっくり戻る(10回)

✔️ ポイント:壁の力を借りることで軸を意識しやすくなります。


トレーニング③:片足ルルヴェ(パッセで)

  1. パッセで片脚を上げた状態でルルヴェ

  2. 壁やバーを使いながら徐々にバランス強化

✔️ 体幹・内転筋・足裏の総合トレーニング!


よくあるNGパターンと修正法

NGパターン 修正ポイント
ふらつく 肋骨の引き上げと内腿を使う
膝が曲がる 太もも前ではなく内腿で支える
踵が低い 床を押す意識を持ち、足首の可動域を広げる

まとめ|ルルヴェは「足+体幹」の連動が鍵

ルルヴェは、ただ足を持ち上げる動作ではありません。
体幹からつながった「全身の統一感」があってこそ、美しく安定した立ち方になります。

毎日の小さな積み重ねが、大きな変化を生みます。
ぜひ、今日から少しずつ実践してみてくださいね!

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