はじめに|「バレエって、うちの子に合ってるのかな?」
バレエ教室の体験会に参加した後、こんなふうに悩んでいませんか?
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バレエはお金がかかるって聞いたけど…
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続けられるかどうか不安
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他の習い事とどう違うの?
そんな親御さんに向けて、バレエが子どもにもたらす効果と、習わせる前に知っておきたいポイントを、現役バレエ講師の視点で丁寧にご紹介します。
1. 姿勢・柔軟性・バランス感覚が自然と身につく
バレエでは、**常に「正しい姿勢」「引き上げ」「つま先まで意識」**が求められます。
日々のレッスンで身体をコントロールする習慣がつくことで、
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猫背が改善される
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インナーマッスルが鍛えられる
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柔らかくしなやかな身体になる
といった効果が期待できます。小さい頃から身体の使い方を学ぶことで、怪我をしにくい体づくりにもつながります。
2. 集中力と自己コントロール力が育つ
バレエのレッスンは、「音を聞き、先生の言葉を理解し、自分の身体を動かす」ことの連続です。
これは子どもにとってかなり高度な作業。
だからこそ、
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一つのことに集中する力
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指示を聞いて行動する力
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自分を律する力
が自然と身についていきます。
発表会前の練習などでは、責任感やチームワークも学べるため、将来、学業や社会生活でも役立つ力を育むことができます。
3. 音楽性・表現力が豊かになる
バレエはただのスポーツではなく、音楽と感情を身体で表現する芸術です。
子どもはレッスンの中で、
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音楽に合わせて動く感覚
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喜怒哀楽を身体で表す方法
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目線や腕の使い方によるニュアンスの違い
を少しずつ身につけていきます。
これは、ダンス以外の場面──たとえば人前で話すときや表情で気持ちを伝えるとき──にも活かされるコミュニケーション力や創造性の基盤になります。
4. 継続する力と自信が育つ
初めはできなかった動きが、何度も練習するうちに少しずつできるようになる。
この「できた!」という瞬間の積み重ねは、子どもの心に大きな達成感と自信を与えてくれます。
バレエは“地味な努力”の連続。でもその中にある「美しさ」「上達の喜び」「仲間との絆」が、子どもを成長させます。
「辞めずに続けた」という経験自体が、人生における大きな財産になるのです。
5. 舞台という“特別な経験”ができる
バレエには、発表会という目標と晴れ舞台があります。
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照明を浴びて踊る
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観客からの拍手を浴びる
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衣装を身にまとい、物語の一部になる
これらは子どもにとって、一生の思い出になる“非日常体験”。
緊張やプレッシャーを乗り越えて舞台に立つ経験は、大きな自己成長につながります。
習わせる前に知っておきたい3つの注意点
① 親の期待を押しつけない
バレエは芸術であり、長く続けるには子ども自身の“好き”という気持ちが不可欠。
親が過度に「上手になってほしい」「コンクールに出てほしい」とプレッシャーをかけてしまうと、子どもが疲れてしまうことも。
「今日楽しかった?」「どんなことやったの?」と、見守るスタンスが大切です。
② 継続には費用と時間のバランスも必要
バレエは月謝に加えて、シューズ・レオタード・発表会費用などがかかる習い事です。
また、5、6歳以上は、週複数回のレッスンやリハーサルへの送迎も必要。
家庭の状況やこどもの他の活動とのバランスを考えたうえで、無理のない環境で始めることをおすすめします。
③ 教室選びがカギ
バレエ教室によって、指導方針や雰囲気が大きく異なります。
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初心者に優しい雰囲気か
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子どもの個性を尊重してくれるか
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指導者が安全面に配慮しているか
などを確認し、体験レッスンでの感想もとに選びましょう。
おわりに|「好き」が子どもの人生を豊かにする
バレエは、心と体をバランスよく育ててくれる習い事です。
もちろんすべての子どもに合うとは限りませんが、
「音楽が好き」「踊ることが好き」「身体を動かすのが楽しい」
そんな気持ちがあるなら、ぜひ一度バレエに触れさせてあげてください。
大切なのは、“結果”ではなく“過程”を楽しめる環境を整えること。
バレエを通じて、子どもたちが自分の可能性に気づき、自信を持って成長していく姿は、親として何よりの喜びになるでしょう。