🎀 バレエでよく聞く「引き上げ」とは?
バレエのレッスンで何度も耳にする言葉、「もっと引き上げて!」「お腹を引き上げて!」というフレーズ。でも、実際に何をどうすれば「引き上がる」のか、初心者には少し分かりにくいですよね。
引き上げ(エレベーション)とは、姿勢を整え、体幹を意識し、床を押しながら上へ伸びる感覚のこと。これは見た目の美しさだけでなく、バレエにおいて非常に重要な「軸の安定」「動きのコントロール」「ケガ予防」にもつながります。
🧠 なぜ「引き上げ」が大切なのか?
1. 美しいラインが作られる
引き上げを意識することで、首が長く、背筋がまっすぐに見えるようになります。脚のラインもスッと伸び、全身に“しなやかさ”と“気品”が生まれます。
2. 動きに安定感が出る
プリエ、ルルヴェ、ピルエットなど、あらゆる動きは「引き上げ」が軸を支えてくれます。上半身が沈まずにキープできることで、動きにブレがなくなるのです。
3. ケガの予防につながる
正しく引き上げることで、腰や膝、足首への負担が減り、身体全体で支えることができます。これにより、特定の部位に負荷が集中することがなくなり、ケガのリスクが低下します。
📌 引き上げの具体的なやり方
1. 骨盤を立てる
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まずは骨盤の位置が重要。反り腰でも猫背でもなく、「ニュートラル」な位置にセット。
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おへそを少し背骨側に引き込むように意識すると◎。
2. 体幹を引き上げる
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お腹の下(腹横筋)を意識して引き上げる。お腹を締めるのではなく、上に持ち上げるような感覚。
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肋骨が開きすぎないよう、軽く閉じるように意識。
3. 背筋を伸ばす
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背骨を一本の糸で上から引っ張られているような感覚。
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背中が緊張しすぎないよう、肩はリラックス。
4. 頭のてっぺんを意識する
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頭のてっぺん(頭頂)を天井に向かってスーッと伸ばす。
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アゴが上がったり、下がりすぎたりしないように注意。
💪 引き上げ力を育てるエクササイズ
1. ペルヴィックチルト(骨盤ニュートラルの練習)
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仰向けに寝て膝を立て、腰を床に押しつけたり離したりする。
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骨盤の正しい位置を感覚で覚える。
2. プランク
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体幹を鍛えるにはシンプルなプランクが有効。
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腰が反ったり、お尻が上がったりしないよう、一直線をキープ。
3. ウォールローリングアップ
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壁に背中をつけて立ち、背骨を一つずつ離していくように前屈。
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骨の感覚と「引き上げ」「引き下げ」を身体で覚える。
🧘♀️ よくある間違いとその改善ポイント
よくある間違い | 改善ポイント |
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肩が上がってしまう | 肩はリラックスし、鎖骨を左右に広げるように意識 |
腰が反る(反り腰) | 骨盤を立てる。腹筋に力を入れて骨盤を安定させる |
顎が前に出る | 首を長く保ち、後頭部を少し後ろに引く |
引き上げ=力むと思ってしまう | 引き上げは「伸びる」感覚であって、「固める」ものではない |
🧭 日常生活でも意識したい「引き上げ」
バレエのレッスン中だけでなく、通勤中や家事中にも「引き上げ」は意識できます。以下のような場面で取り入れてみましょう。
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信号待ちのときに背筋を伸ばして立つ
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椅子に座るときも骨盤を立ててお腹を引き上げる
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階段をのぼるときに「上へ引っ張られている」感覚で歩く
このように、日常での意識がレッスンでの上達にもつながります。
✅ まとめ:引き上げは“バレエらしさ”の鍵
「引き上げ」は、バレエのすべての動きにおける土台であり、見た目の美しさと、身体の強さ・しなやかさを両立させる力です。初めは難しく感じるかもしれませんが、意識を少し変えるだけで体の使い方が変わり、踊りも驚くほど美しくなります。