ピルエットの軸を鍛える:ルティレ・パッセの質を上げる3つのポイント

回転力と安定感は“形の質”で決まる!

ピルエットで「軸がぶれる」「1回しか回れない」「着地が決まらない」と感じていませんか?
実はその原因の多くは、「**ルティレ(パッセ)**の形と意識のズレ」にあります。

ルティレは単なる“足の位置”ではなく、軸を安定させるための全身の調和ポイント
形のクオリティを上げることで、回転のしやすさや成功率が大きく変わります。

この記事では、ピルエットを成功に導くために欠かせない「ルティレ・パッセの質」を上げるための3つの具体的なポイントを紹介します。


🔍 目次

  1. ルティレとパッセの違いとは?

  2. なぜ“形”が軸の安定を左右するのか?

  3. 質を上げるための3つのポイント

  4. よくあるNG例と修正アドバイス

  5. 自宅でできるルティレ強化トレーニング

  6. まとめ:ピルエット成功のカギは「形にあり」


1. ルティレとパッセの違いとは?

✔ ルティレ(Retiré):

「引き上げた足が軸足の膝に接している状態」。
バレエの立ち姿の基本であり、ピルエットの最中に最も安定すべきポジションです。

✔ パッセ(Passé):

「通過する」という意味。
例えばピルエットで足が上がって通過する瞬間を表現します。

✅ ピルエットの回転中に使われるのは、ルティレの“静止”ポジションです。


2. なぜ“形”が軸の安定を左右するのか?

ピルエットは“動き”の中の技ですが、
回転中のルティレは“静止のような安定感”が求められます。

ルティレの形が正しくないと:

  • 軸足に負荷がかかりすぎる

  • 骨盤が傾き、体幹がブレる

  • 足の位置がずれて軸が崩れる

✔ 回転中に“動かない部分”をつくることで、軸が安定し、1回転でも2回転でも美しく回れます。


3. 質を上げるための3つのポイント

✅ 1. 引き上げの意識を持つ

ルティレの足は「持ち上げる」のではなく、“軸から引き上がる”感覚が必要です。
膝の位置を高く、つま先を膝にしっかり添わせるように。

ポイント:

  • 骨盤が落ちないよう、お腹を内側に引き上げる

  • 膝は横に開きつつ、股関節から引き上げる


✅ 2. 骨盤の水平をキープする

ルティレになると骨盤が傾いてしまう人は多いです。
傾いた状態で回ると、回転軸がぶれやすくなります。

ポイント:

  • 骨盤が左右均等になるよう、左右の腰骨の高さを意識

  • 軸足の付け根(腸腰筋)でしっかり支える感覚


✅ 3. 上半身と下半身を分離して考える

ルティレになると上半身が一緒に縮こまることが多いですが、
**“足は高く、上半身はさらに高く”**という意識が重要です。

ポイント:

  • 頭頂部が天井に引っ張られているような姿勢をキープ

  • 肩はリラックス、首長く


4. よくあるNG例と修正アドバイス

NGパターン 修正ポイント
膝が前に出てしまう 横方向にしっかり開く、股関節から動かす
骨盤が傾いている 両方の腰骨の高さを揃えるように
足の甲が見えていない つま先までしっかり伸ばす意識を持つ

5. 自宅でできるルティレ強化トレーニング

🟡 壁ルティレ

壁に手を添えて、ルティレの姿勢を左右で10秒ずつキープ。
→ 骨盤の水平、軸の引き上げを感覚的に覚える練習に最適。

🟡 スロー・ピルエット準備

プリエからルティレまでをゆっくり行い、形を止める練習。
→ 回る前の“軸に乗る力”を強化。

🟡 フィードバック練習

鏡または動画を使って、横からのルティレの形を確認。
→ 自分ではわかりにくい角度や傾きが可視化されます。


6. まとめ:ピルエット成功のカギは「形にあり」

ルティレ・パッセは、ただ“足を膝にくっつける”だけの動きではありません。
軸の中心に体を集める技術であり、そこに美しさと回転の安定感が宿ります。

🔹 回転が苦手な方ほど、回る前に形を磨くことを意識してみてください。
🔹 正しいルティレは、あなたのピルエットを劇的に変える力を持っています。


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